ネパール旅行記(カトマンドゥ / スワヤンブナート)

スワヤンブナートはタメル地区から2キロほど離れた丘の上にある寺院。ボダナートに続いて、こちらも10年ぶりの再訪になる。カトマンドゥの盆地を見下ろすことができ、景色もかなりきれいな寺院なので再訪が楽しみ。


いったんタメル地区のゲストハウスに戻って1時間ほど休憩し、外出してスワヤンブナート方面へ。寺院までの道ものどかでいい雰囲気だったのを憶えているので、今回も10年前と同様に歩いて移動することにした。

朝の雨の影響で地面がぬかるんでいるので、靴が濡れないように注意しながら歩く。

タメル地区を歩いていて感心する眺めがこれ。電柱はどこもこんな感じで、これで配線ミスが起きないとしたら奇跡。

10年前と比べると、道路や建物は少しきれいになったような気がする。このあたりでは観光客はまったく見かけず、地元の人たちと並んで歩く。

タメル地区を離れ、川を渡る。朝の雨で増水気味。

川を渡ったところに懐かしのオート三輪が停まっていた。行き先を書いた案内板があるので、おそらく今は乗り合いバスとして使われていると思う。しかし日本でオート三輪が街中を走っている風景を見たことがあるのはおそらく40代後半以上の年代か。

自分が小学校の低学年だったころまでは、道路を普通に走っているのをときどき見かけていた。なので現役で使われている姿を見ると懐かしい。よく見るとかなりボロボロだが、今後もネパールを走り続けてほしい。

さらに歩くと、こういう看板があった。”OKA” はもしかしたら日本語の「丘」だろうか。

川を渡ってからは緩やかな坂道を上がってきたので、振り返るとカトマンドゥの市街地が見下ろせる。何だか湖か入り江を見下ろしているような眺めだが、白く広がっているのはもちろん雲。しかし「海辺の町の眺め」と言っても信じる人がいるかもしれない。

やがて、遠くの丘の上にスワヤンブナートのストゥーパが見えてきた。

タメル地区から25分でスワヤンブナートの前に到着した。10年前に来たときは立派な門があったが、今回はなくなっていた。

こちらが10年前の景色。この門がいつなくなったのかはわからない。

上の10年前の写真はフィルムカメラで撮ったもの。かつてはフィルムカメラで撮った写真をスキャナで読み込み、トリミングなどの編集を加えてからサイトに載せるという作業を普通にやっていた。今となっては隔世の感があり、よくあんな面倒なことをやっていたと思う。

ではスワヤンブナートの中へ。大きな仏陀が迎えてくれる。

ここから先は階段が続いている。そして、この階段がとにかく急なことで有名になっている。下から見上げると、途中から次第に傾斜が急になっていくのがわかる。転がり落ちたら大変。

10年前も感じたが、上っているとなんだか後ろから引っ張られているような錯覚に陥る。

やがて階段の頂上に到着した。頂上の少し前にチケット売り場があり、外国人観光客はここでチケットを買う必要がある。値段は250ルピーで、10年前は50ルピーだったので5倍に値上がりしていた。

ここから階段を見下ろすと、こんな感じ。

ではスワヤンブナートの境内へ。大きな五鈷杵と犬と牛と猿が出迎えてくれる。今はストゥーパの前に置かれているのが五鈷杵(ごこしょ)だとわかっているが、10年前は名前を知らなかった。

こちらがスワヤンブナートのストゥーパ。四方に描かれた仏陀の目が、眠そうな感じで下界を見下ろしている。 下界を見下ろしているだけで、特に民衆を救おうとはしていないところがポイント。

ここからマニ車を回しながら右回りにストゥーパの周りを歩くことにする。

丘の上なので境内はそれほど広くはなく、すぐに一回りできる。よく見ると稠密に作られている石像などを見ると懐かしかった。ストゥーパをバックにしてたくさん並んでいる眺めは壮観。

こちらのお堂の前は煙が立ち込めていて、人々が熱心に参拝していた。しかしここは10年前に撮った写真を見てもビニールシートの屋根が設置されている。10年間、ちゃんとした屋根が作られずビニールシートが張られ続けていたというのも面白い。

祠の中に入ると、こんな感じ。くすんだ色合いとチョークのようなオレンジ色がいい雰囲気を出している。

ここは丘の上にある寺院なので、もちろん景色を眺めるビューポイントも作られている。

こちらがスワヤンブナートからの眺め。カトマンドゥ盆地が一望できる。カトマンドゥ盆地は3万年前は湖だったそうで、このスワヤンブナートがある丘は小さな島だったという伝説がある。湖だったころの眺めを想像しながら休憩。

その後、さらに境内を散策。

この仏陀を見下ろす場所にカフェがある。数人でいっぱいになってしまう小さな店だが、運よく席が空いていたのでカフェラテ(250ルピー)を注文してみた。仏陀を眺めながら一休み。

境内には焼けたような柱が並んでいる一画があったが、地震の際に火事が起きたのかもしれない。またレンガが積まれている作業現場もあり、これも地震で壊れた箇所の修復なのかもしれない。(2015年4月に起きた大地震の影響は、この後ダルバール広場でも見ることができた)

この寺院はあちこち犬がうろついている。祠の中にぴったりと収まって寝ている犬と、階段を下りていく僧侶を見送る犬を撮ってみた。

では、そろそろ下りることにする。犬が丁寧に見送ってくれたので、こちらも挨拶してから階段を下りる。スワヤンブナートに滞在していた時間は1時間半ほど。

こういう急な階段は上るときよりも下りるときのほうが気を付けないといけない。滑らないように注意しながら、丘の麓まで下りた。

最後に、丘の上のストゥーパを見上げてみた。

今まで行ったことのない場所を訪れるのもいいが、こういう久しぶりの再訪もいいものだと思う。また10年後かもしれないが、いつかまた来たい。