タイ旅行記(タオ島 / ダイビング2日目)

タオ島滞在2日目は遠征ダイビングの日。外洋にあるセイルロックというところで潜ることになる。ジンベエザメが現れる可能性があるポイントなので、遭遇できることを願いながらダイビングに出かけることにした。


遠征の日なので出発が早く、午前5時過ぎに起床。6時にダイビングショップの送迎が来て、ホテルを出発した。

ショップに到着すると、まだ周囲は薄暗い。

自分の器材を確認して、20人ほどのダイバーがこちらのトラックに乗り込んで出発。日本ではありえない改造車なので、乗っているだけで楽しい。

港でボートに乗り換え、まだ明るくなる前に出発。セイルロックはタオ島とパンガン島のちょうど中間あたりにあるので、タオ島からまっすぐ南へ航行する。途中、タオ島の南端にあるブッダロックが見えた。

ブッダロックのアップ。岩の形が仏陀の背中に見えるというのが名前の由来で、今回利用したダイビングショップ「ブッダビュー」の由来にもなっている。

タオ島を離れると、後は大海原の中をひたすら進む。やがて、遠くに小さな岩が見えてきた。

こちらがセイルロック。タオ島から1時間半ほどで到着した。本当に海の中にポツンとあるので、なんだか不思議な感じがする岩だと思う。

こういう「大海原にポツンとある岩」としては、日本では 孀婦岩 がダイバーの間で有名だと思う。実は私は学生時代の遠洋航海(1992年)で孀婦岩を見たことがあるが(私は東京海洋大学海洋工学部出身)、さすがにダイビングで潜ったことはない。いつか行ってみたいポイント。

という話は別にして、このセイルロックもかなり魅力的なダイビングポイントになっている。期待しながら潜ることにした。

SAIL ROCK(1本目)

ボートの上で器材を準備し、エントリー。人気のダイビングポイントなので、ボートが何隻も集まっていた。

通常のダイビングであればポイントのすぐ近くでエントリーするので、そこからすぐに潜行することになる。しかしながら、ここは環境保護のためなのかボートがセイルロックから離れたところに停泊している。このため、水面でかなりの距離を移動する必要があった。

外洋なので波もそれなりにあり、潜行するポイントまでたどり着いたときはすでにクタクタ。最初にこれだけ疲れたポイントは初めてだった。

ともかくも、ようやくエントリー。潜行すると、さすが外洋だけあって青く光っている海が広がっていた。

そして、このポイントは魚の群れがすごい。体の上部と尾びれが鮮やかな黄色をしている特徴的な魚は「ウメイロモドキ」で、沖縄のグルクンの仲間。

魚の群れに包まれながら、しばらく漂ってみた。

それほど大きな規模ではなかったものの、バラクーダのトルネードも見ることができた。

シェブロンバラクーダやピックハンドルバラクーダのトルネードに近づくと、ときどき中に入ることができた。自分のまわりにバラクーダの壁ができるという、ダイバーなら一度は体験してみたい風景がついに実現。

1本目は、とにかくバラクーダに感動したダイビングだった。

ダイビングログは以下の通り。

  • 天候:晴
  • 気温:32℃
  • 水温:30℃
  • 潜水時間:50分
  • 最大深度:22.3m
  • 平均深度:16.2m
  • 透明度:15m

ボートに上がると、猫が見張りをしていた。

2本目まで、しばらく休憩。

SAIL ROCK(2本目)

2本目もポイントはセイルロック。ここでも魚が乱舞。

海中のトンネルをくぐることもできた。

以下、魚群の写真を並べておく。

ただ、今回タオ島へ来たのは「ジンベエザメに会えるかも」という期待がったから。TV などの映像では透明度の高い海でジンベエザメが泳いでいる光景を見ることができるが、実際は透明度が高すぎるとジンベエザメは現れないという。

これは、透明度が高いとエサになるプランクトンが少なくなるからだそうで、ちょっと濁っているくらいがちょうどいいらしい。さらに顔など露出している部分の皮膚がピリピリするくらいにプランクトンを感じると遭遇確率が上がるそうで、この2本目はまさにそういう感じだった。

というわけでジンベエザメの出現を期待したのだが、残念ながら現れず。

ガイドさんも「今日は現れそうな感じはしたんですけどねえ」と話していたが、こればかりは自然が相手なので仕方がない。

これで、セイルロックでのダイビングは終了。2本目のログは以下の通り。

  • 天候:晴
  • 気温:32℃
  • 水温:29℃
  • 潜水時間:55分
  • 最大深度:22.3m
  • 平均深度:14.6m
  • 透明度:15m

ボートの上での昼食後、セイルロックを離れてタオ島方面へ移動。

SOUTH WEST PINNACLE

この日の3本目は、セイルロックとタオ島へ戻る途中にある「サウスウェスト・ピナクル」というポイント。ここも外洋にあり、水深6メートルの隠れ根(水没している岩礁)を中心に岩が連なっているポイントになる。

潜水すると、こちらも海が青い。

そして、ここでも魚群が見事だった。

大物は現れなかったものの、タカサゴ、クロリボンスズメダイ、アカオビハナダイ、マブタシマアジ、クロホシフエダイなどの群れに包まれながらのダイビング。

やっぱりダイビングっていいものですねえ。

これで、この日のダイビングが終了。3本目のログは以下の通り。

  • 天候:晴
  • 気温:32℃
  • 水温:29℃
  • 潜水時間:56分
  • 最大深度:22.3m
  • 平均深度:13.4m
  • 透明度:15m

ボートに上がり、タオ島へ出発。ジンベエザメは残念ながら現れなかったものの、どのポイントも魚群は本当に見事だった。タオ島でのダイビングの際は、絶対にセイルロックまで遠征してみてほしい。

港に戻り、改造トラックでショップへ移動。翌日もダイビングなので、スタッフに「明日もよろしくお願いします」と挨拶してからホテルへ戻った。


6時半に外出。前日はホテル近くの地元民向けレストラン(というより食堂という感じ)で夕食にしたが、この日はダイビングショップの「ブッダビュー」まで歩いてみた。併設のレストランでスタッフやダイバーが食事しているということなので、いろいろと話してみたいと思ったのが理由。

わりと広いレストランでは、日本人や韓国人や欧米人たちがそれぞれのテーブルに分かれて食事していた。日本人のグループに加わり、パッタイ(タイの焼きそば)とトムヤムスープを注文。味は十分うまい。

ガイドやダイバーの人たちと話しながら食事したが、それぞれが体験した海のことを聞いていると本当に楽しい。私も、ベリーズのブルーホールやメキシコのセノーテ、国内では支笏湖の淡水ダイビングの話などは興味を持ってもらえたので、役に立てたと思う。

食後、ミックスベリーシェイクを追加で注文。見てわかる通り濃厚でうまい。

しかし楽しい食事だった。翌日の夜もここへ来ることにして、ダイバーの方たちと別れてホテルへ。

途中でコンビニに寄ってみると、店の前に犬や猫がたむろしていた。ときどき、客と一緒に店の中に入っていくので、そのたびに店員から外へ連れ出されているのを見ると笑えてしまう。

夜9時半にホテルに帰着。翌日は島の近くのポイントで4ダイブの予定で、この日は11時半に就寝。