モルドバ&ルーマニア旅行記(シナイア~ブカレスト)

シナイア僧院から歩いて駅方面へ戻り、ホテルの近くにあった公園を少し散策してみた。

平日(木曜日)の昼間なので動いていなかったが、小さな遊具もいくつかあった。休日になったら子供向けの遊園地になるのだろう。

雰囲気のいい公園を後にして、いったんホテルに戻って預けていた荷物を受け取った。

駅まで歩き、窓口でブカレストまでの列車のチケットを購入。来た時と同じく39.5レイで、ホームで待っていると列車がやってきた。ブカレスト~シナイアの往路の移動とは違い、復路で乗ったのは機関車が引っ張る客車タイプの列車だった。

午後3時にシナイアを出発。座った席が窓側ではなかったことと、また逆光だったことから反対側の車窓をズームして撮ってみた。山岳地帯を抜けて平原に出ると、車窓には広々とした景色が広がることになる。

午後4時半、ブカレストのノルド駅に到着。再びブカレストに戻ってきた。

しかしネットでは散々「危険極まりない」「近づいてはいけないレベル」などと注意喚起されているノルド駅だが、前日と同様に危なそうな雰囲気はまったくない。前日は早朝だったからかと思ったが、夕方でも特に雰囲気は変わらない。

もちろん夜になったら危険な駅になるのかもしれないので油断はできないが、それでも「危険だったのはいつの話?」という気持ちにもなる。


ブカレストには2泊するので、これからホテルがある旧市街へ移動する必要がある。旧市街エリアへは、ブカレストでもっとも安全な交通機関とされている地下鉄で移動することにしていた。

階段で地下に下りると地下鉄のノルド駅がある。2.5レイでチケットを買い、ホームで待っていると列車がやってきた。

しかし地下鉄で写真を撮るのは緊張する。何とかこっそりと撮った写真がこちらで、緊張しているせいかドアのところに立っている男性なんて格闘家みたいに見えてしまう。

旧市街へは統一広場駅で下りればいいというのは調べていた。ところが、その駅で下りて地上に出ても周囲に旧市街らしいエリアが見えず、周囲の道路も地図とは一致しない。

しばらく考えた結果、ようやく間違いに気づいた。統一広場駅はルーマニア語では「ピアツァ・ウニリイ(Piața Unirii)」だが、下りた駅は Piața Iancului 駅。綴りが似ていたので別の駅で間違って下りてしまっていた。

まあ、こういう間違いは外国ではたまにあることなので、再びチケットを買って 統一広場駅へ移動した。2.5レイを余計に払ってしまったが、これは仕方がない。

今度は地上に出て少し歩くと旧市街があった。ブカレスト観光の中心街だけあって、観光客向けの店が並んでいる。予約していた「レンブラントホテル」は旧市街のほぼ真ん中にある細長い建物だった。

チェックインし、部屋で少し休憩。かなり快適なホテルで、宿泊料金は1泊6,929円。

午後7時に外出し、あの有名な「国民の館」へ歩いてみることにした。ブカレストの観光名所といえば、チャウシェスク大統領が巨額の費用を注ぎ込んで作らせた「国民の館」は外せない。悪名高い建物だが、ルーマニアではぜひとも見てみたいスポットだった。

旧市街を出て大通りを歩ていくと、やがて想像を超える巨大な建物が見えてきた。

話には聞いていたが、実際に見てみるとあまりの馬鹿でかさに言葉をなくしてしまうほど。写真では巨大さが伝わらないかもしれないが、こんな圧倒的な建物は見たことがない。

国民の館はガイドツアー形式で見学することができるが、人気のツアーなのでチケットが売り切れることもあるという。翌日の朝、オープンとほぼ同時に行ってみることにして、この日は外観をいろいろな角度から眺めておいた。

翌日のツアーが楽しみになってきたところで、旧市街に戻り夕食にした。眼光客向けのエリアなので高そうな店が並んでいるが、旅行中はたまには贅沢するのもいいもの。

「XCLUSIVE」という店を選び、ギネスビールとビーフステーキを注文した。普段はほとんど酒は飲まないが、旅行中だけはときどきビールを飲んだりする。このビーフステーキは、かなり柔らかくて味は絶品だった。

食後にエスプレッソコーヒーを注文し、値段はチップを含めて150レイ。かなり豪勢な夕食になったが、こういう贅沢もいいものだと思う。

夕食後、しばらく旧市街を散策。建物がライトアップされていてきれい。

夜9時半にホテルに戻り、テレビを見ているとコメディみたいな番組をやっていた。

ここで面白かったのが、出演者の一人が「TOKYO」というTシャツを着ていたこと。調べたところ、ルーマニアは意外と親日らしい。

翌日の夜、テレビで日本の番組に遭遇して驚くことになるのだが、それはまた後のページで。この日は0時に就寝。