台湾旅行記(高雄 / 駁二芸術特区)

早くも台湾滞在最終日。夕方の飛行機で帰国することになるが、昼過ぎまで「駁二芸術特区」と「旗津地区」を散策することにしていた。

高雄の観光地としては、外国人にとってはそれほどメジャーな場所ではないかもしれないが、どちらもかなり面白かった。


8時半に起床。10時にホテルをチェックアウトし、歩いて駁二芸術特区へ。遠くに早速オブジェらしいものが見える。

ここがどういう場所かというと、つまり名前の通り前衛芸術家たちのアート作品を展示した複合アートスペース。旧倉庫街をリノベーションした地区だそうで、屋外に大きなオブジェがたくさん並んでいる。「前衛」「実験」「イノベーション」がテーマということなので一般人にはよくわからないものも多いが、それはそれで歩いていると楽しめる。

さて、この作品はいったい何がテーマなんだろう。

こちらは経穴がわかりやすく示されたオブジェ。

以下、よくわからないものも多いので説明は簡単に。まずは倉庫の壁一面のアート。

恐竜がモチーフなのかはわからないが、真っ赤な怪獣がいた。しかし股間の強調ぶりがすごい。

芸術作品が並ぶ通りと並行してトラムの線路があるので、昨日乗ったトラムがときどき通る。高雄のキャラクターといえばもちろん高雄熊。本当にあちこちで見かける。個人的にはくまモンより高雄熊のデザインのほうが好き。

線路の向こうに、かなり大きなオブジェがあったので線路を渡ってみる。

モチーフはやはり「ガンダム」だろうか。自分は年齢的には「ガンダム世代」に分類されるのかもしれないが、実はガンダムを一度も見たことがないので、どんな話なのか内容はまったく知らない。同世代でも、こういう人間は珍しいかもしれない。

顔のアップ。はたしてモチーフがガンダムなのかどうか、わかる人がいたら教えてほしい。

倉庫の入り口の上に座るキノコ人間。真下に座っているとなんだか落ちてきそうな感じがして怖そう。

他にも芸術作品が次々と現れるので、歩いていると面白い。個人的には巨大な配管工が好き。

こちらの建物も壁一面がアートになっていた。しかしこの絵はよくできている。

最後はこちらのオブジェ。自撮りしているカップルを便乗して撮ってみた。モチーフは不時着したヘリコプターかと思ったが、もちろん正体はわからない。

なかなか面白い地区だった。ここに写真を載せているオブジェ以外にも面白いものがたくさんあるので、全部見たい人は直接訪れてほしい。高雄の観光スポットを一通り見て、他に何かないかと考えている人にはお勧め。


駁二芸術特区の先に「鉄道博物館」という表示があり、立ち寄ってみた。敷地内にはミニトレインが走っていたが、これがなんと日本の新幹線(N700系)。向こうから新幹線がやってきたときは本当に驚いた。

近くで見ても列車はよくできている。地元には台湾高速鉄道もあるというのに、日本の新幹線を使っているところが嬉しい。ちなみに行き先表示は「高雄」になっていた。

ミニトレインの線路に沿って歩いていると、なんだか見覚えのある路地があった。なんで見覚えがあるのかしばらく考えて、ようやく思い出した。

ここは高雄のゆるキャラ「高雄熊」の Facebook ページで見ていた場所だった。投稿された写真を見て「いったい何があったんだ高雄熊!」と思ったのを覚えていて、コメント欄も「どうしたの?」という書き込みが並んでいた。本当に、何があったんだろう。

しかし写真だけで見ていた場所を偶然発見すると、なんだか嬉しい。

ミニトレインが走っている鉄道博物館を抜けると、引き込み線が並んでいる広々としたエリアがあった。今は使われていない場所なので自由に歩き回ることができる。おそらく、ここも鉄道博物館の一部。

引き込み線を渡るとトラムの駅があり、その隣に SL が停まっていた。現役ではなく保存車両だと思うが、状態はなかなかいい。

SL が停まっているプラットフォームは旧高雄港駅で、今は廃止されて「打狗鉄道故事館」になっている。入場無料なので入ってみたところ、建物の中は鉄道関連の資料が並んでいた。

しかし、なぜか書籍は日本のものがほとんど。JR となっているから台湾統治時代とは関係ないはずだが、これらはどういう縁で集められたのだろう。青春18きっぷの本もあったりして、もうなんだかわからない。

最初はそれほど期待していなかった場所だが、駁二芸術特区と鉄道博物館はどちらも予想外に面白かった。ガイドブックには大きく取り上げられていないような場所でも、台湾は本当に楽しめる。

では、次の目的地「旗津地区」へ向かうため歩いて渡船の乗り場へ。