タイ旅行記(Wat Tham Ta Pan / 前編)

プーケット滞在最終日。この日の夜の飛行機でタイを出発することになる。今回のタイ旅行ではずっとプーケット島内に滞在したが、最終日は島を出てタイ本土側にあるパンガー県へ行ってみた。

パンガーでの目的地は「ワットタムターパン」という寺院。ここがどういう寺院かというと、個人的に大好きな地獄寺。タイの観光地といえば、地獄寺は外せない。

最近はネット上でもタイの地獄寺訪問記が増えてきたが、バンコクに近いワットパイロンウアやワットプートウドムは見かけるものの、さすがにワットタムターパンを紹介しているサイトはほとんど見ない。これは珍しい体験になりそう。


朝8時に起床。ホテルをチェックアウトし、夕方まで荷物を預かってもらうことにして10時に出発した。

カタビーチまで歩き、ここからソンテウでプーケットタウンへ移動。バスターミナルがあるのは島の東側にあるプーケットタウンで、ビーチとは山を挟んで反対側になる。

ソンテウに乗っていると、タイにいるという気分が盛り上がってくる。料金は40バーツ。

山越えの道なので時間がかかり、1時間ほどで終点のプーケットタウンに到着した。

ここからバイクタクシーでバスターミナルへ移動。ソンテウと同様、バイクタクシーでの移動も楽しい。

5分ほどでプーケットのバスターミナルに到着した。バンコクやチェンマイなどへの長距離バスが発着しているターミナルなので、規模はわりと大きい。もっと若い時だったら、ここから夜行バスでバンコクなどへ移動してみたいものだが、さすがに年齢的に夜行バスはきつくなってきた。

パンガーはプーケットから本土へ渡ってすぐのところなので、バスではなくミニバス。パンガーまでの料金は100バーツ。

11時40分に出発。天気もいいし、海が眺められるので車窓風景はきれい。

ただ、車窓からは海だけでなく寺院もあちこちで眺められた。大きな涅槃像があったり、ナーガが見事な本堂があったり、「珍寺」と言えそうな寺院も多かっただけに途中下車できないのが残念。次回のプーケット滞在では、このあたりの寺院めぐりもやってみたい。

橋を渡って本土側に入り、プーケットを出発してから2時間ほどで終点パンガーのバスターミナル前に到着した。


他の乗客と一緒に下りようとしたところ、運転手が「もう少し乗っていて」という感じのジェスチャーをして、ミニバスは再び動き出した。どこへ行くのかと思っていたら、下の写真の交差点付近で下ろしてくれた。

運転手が「あそこに行ってみて」という感じのことを伝えてからミニバスは行ってしまったので、何だろうと思ったらツーリストインフォメーションの建物だった。ここでようやく、外国人旅行者に対して気を利かせてここまで連れてきてくれたことがわかった。

ただ、今回はあくまでワットタムターパンという地獄寺を見るためだけにパンガーへ来たので、この町に宿泊したり観光ツアーに参加するわけではない。一応、建物内に入って街中の地図をもらったりしたが、運転手の親切心に十分に応えられなかったのは申し訳ない。

ただ、地図を見るとバスターミナルよりも目的地の寺院にかなり近くなったので、この点は運転手に感謝している。


ツーリストインフォメーション前の交差点を出発し、歩いて寺院方面へ。大通りを離れると、周囲は静かな雰囲気になった。

途中、こういう店があったのでアイスコーヒー(20バーツ)を飲みながら休憩。屋外は暑いが、日陰にいるだけで涼しくて気持ちいい。

休憩後、寺院方面へ出発。アスファルトの照り返しが暑い。

緩やかな坂道を上がってきたので、パンガーの町が見下ろせるようになった。

歩いていると、何やら遺跡みたいな案内板があったので立ち寄ってみることにした。

案内板には「CHEDI KHAO LANG BART」と書かれていて、石造りのストゥーパがあるということだった。せっかくなので、登ってみることにする。

貴重なものだとは思うが、ストゥーパ自体がそれほど大きくはなく、景色も先ほどの道路沿いからの眺めとそれほど変わらなかった。なので、景色の写真は省略。

ストゥーパを下り、少し歩くと坊さんの石像が安置されていた。金箔が剥がれかけているが、ここで坊さんに参拝。

というわけで何ヶ所か遠回りしたものの、無事に目的地の寺院「Wat Tham Ta Pan」に到着した。

では、入口の横に立っている派手な神像に挨拶し、期待しながら中に入る。

門の先は駐車場を兼ねた広いスペースになっていて、その周りにいろんなオブジェが並んでいた。この時点で、もう楽しくて仕方がなくなってきている。

こちらの虎柄の人が指さす方向を見てみる。

屋内には金色の涅槃像や仏像がたくさん並んでいた。

動物に乗っている神様が並んでいるエリアがあった。さすが神様だけあって、乗っている生き物も馬だけではなくライオンや象や牛などバラエティ豊か。

今まで何度か見たことのある「月を食べる神様」の像もあった。聞くところによると、この姿は月の満ち欠けを表しているらしい。

多分、樹木の切り株をイメージした住居に入ってみる。

すでに先客の犬がいた。

樹木の中の樹木を背にして、坊さんが座っていた。

壁にはレリーフが作られていたが、まるで壁を通り抜けて入ってきたように見えるところが面白い。なんだか心霊写真でありそうな構図。

こちらには大仏と釈迦像が並んでいた。

それぞれのアップ。

痩せこけた感じから釈迦像だと思うが、こんな黒々とした髭を生やした釈迦像も珍しいかも。

通路の仕切りになっているのは蓮の花。このあたりも凝っている。

子供を抱いて井戸端会議中の女性たち(あるいは釈迦誕生の場面を再現しているのか?)と牛追いの男性。

寺院の事務所みたいな建物の近くは、ニワトリが歩いていた。

いろんな仏像が並んでいる回廊。

その中から、印象に残ったものを2つ紹介。

タイ語は読めないが、おそらく羅漢さんが並んでいる通路だと思う。

表情が面白かった羅漢さん。

ちょっと姿勢が悪い羅漢さん。こんな前かがみになって怒られないんでしょうかね。

こちらの岩山には、いろんな神様が並んでいた。どれも興味深い姿だったので、じっくり見ていると時間がかかる。

収穫した作物を持つ女神と、その横にガネーシャ像。

巨大ワニを乗り回す女神。普通、こういう場面では龍を乗り回す方が格好いいが、これはワニまたは巨大トカゲだと思う。

頂上に見えるのは大仏をイメージしているのだろうか。さらに、最下段にはゴリラの姿も。

もしかして、モチーフはキングコングなんでしょうかね。この脈絡のなさが面白い。

何やらいわくありげな小屋があった。

小屋の前に立っていたのがこちら。なるほど、ここに硬貨を入れたら何かが起きるんでしょうね。

小屋の中を見てみると、棺桶みたいな箱に女性が寝ていた。両手で花束みたいなものを持っているので、葬儀のシーンをイメージしているはず。

おそらく、この遺体が起き上がって呻き声を上げるのだろう。そう思って硬貨を入れてみたところ、たしかに呻き声が響いた。しかしながら遺体のギミックは故障していたらしく、残念ながら起き上がることはなかった。遺体が動くことを期待して動画も撮ったが、声だけなのであまり面白くなく、ここに載せるのは省略。

ライオンとトラの間を歩き、さらに先へ。

かなり広い範囲を歩き回ったが、それでも寺院全体の半分ほど。残りは地獄エリアなので、続いてそちらへ向かう。

地獄へは、この龍の体内を通って行くらしい。

「さあ、こちらへどうぞ」という感じでみんな指さしている。もちろん、入ってみますよ。

口の中で合掌している子供の横を通って龍の中へ。

かなり長くなったので、続きは次のページで。