タイ旅行記(Wat Tham Ta Pan / 後編)

今回ワットタムターパンという寺院を訪問した最大の目的は、地獄風景を見ること。前編では寺院内の様々なオブジェを紹介したが、後半のメインは地獄風景になる。


龍の体内を通って地獄エリア方面へ。口の中で合掌している子供というのも、考えてみればシュールな風景。

高雄の蓮池潭(台湾)みたいに龍の体内にもレリーフなどが並んでいるのかと期待したが、ここは単なるトンネルだった。ただ、これはこれで異世界に通じているような雰囲気がいい感じ。

龍の体内を出ると、様々なオブジェが並んでいるのが見える。そちらへ行く前に、左側の矢印の方へ進んでみた。

通路の先にあったのは鍾乳洞。

洞窟めぐりも好きなので、中に入ってみることにする。

洞窟内はわりと広い。薄暗い通路を歩いて奥へ進む。

実は趣味としてケイビングを始めてみたいと思っているくらいなので、洞窟内を歩くのは楽しい。

通路の最奥には、岩の上に祭壇が作られていた。

祭壇の近くにあった鍾乳石。洞窟自体はさらに先へ続いているようだが、通路はここまで。

ここで引き返し、入口の方へ戻る。

入口から外の風景が見えてくると、なんだかほっとした。

鍾乳洞から龍の方へ戻り、いよいよ地獄エリアへ。

地獄の始まりは、亡者の裁きの場面から。タイでも閻魔大王と呼ばれているのだろうか。

裁きの場面を過ぎて階段を下りると、そこから先は地獄の責め苦が延々と続いていた。予想以上に亡者の数が多く、見ているうちに嬉しくなってくる。

前後から腹を突き刺される亡者と、のこぎりで切断される亡者。地獄ではもちろん亡者は全裸。

目を突かれる亡者。地獄にいる怪鳥も、あちこちの地獄寺で見かけるモチーフ。

地獄風景の定番、釜茹でももちろん作られていた。釜の台座が髑髏なのがいい感じ。

ただ、亡者の表情がちょっと物足りないかも。釜茹でというより、なんだか水風呂に浸かっているような穏やかさ。

こちらも地獄風景の定番と言えるトゲトゲの木。浮気した人が登らされるそうで、ドキッとする人は多いかも。

さらに地獄内を歩き回ってみた。ローラーで潰されたり舌を抜かれたり、責め苦もバラエティに富んでいる。

コブラ人間がいた。生前にどういう罪を犯したら、こんな姿になるんだろう。

女性亡者の胸をアップで撮ってみた。

胸元に溶けた金属を流し込まれる亡者。こういう責め苦はあまり見た記憶がないので、ちょっと珍しいかも。

獄卒に首を絞められる亡者。しかし、この亡者は他と見た目が違うのが不思議。まるで皮膚病みたいにも見えるが、おそらくこれは火傷の跡。焼けた鉄板でも押し当てられたんだろうか。

責め苦ゾーンから先ほどの裁きの場面を見上げると、亡者がこちらを見下ろしていた。面白い表情だが、これからの自分の運命を眺めているところかもしれない。

地獄エリアの一画では、巨大ピーが建設中だった。次回ここへ来る際は、おそらく完成していると思う。

責め苦エリアは林の中のちょっとした窪地になっていて、しばらく歩き回った後に階段を上がってみた。ここからだと地獄全体が見渡せる。

階段を上がったところは地獄の続きみたいで、こういうエリアがあった。

ここは、柵の中がなんだか「妖怪大図鑑」みたいになっていて面白かった。

これらはいったい何の怪物なんだろう。おそらく、それぞれ名前と由来があるはずだが、詳しくないのでよくわからない。

所狭しと並んでいるので、まるで百鬼夜行みたい。

こちらは「進撃の巨人」に登場する超大型巨人みたいな感じ。

トゲのある丸太を抱えている姿があったが、これは何なんだろう。このエリアにいたから亡者ではないと思うが、ちょっとよくわからない。

これで地獄エリアは終わり。十二支が並んでいる通路を歩いて寺院の入口方面へ戻る。

寺院の本堂らしい建物があったので中に入り、おそらく本尊だと思う神像に参拝。両側にいる龍がこちらに襲い掛かろうとしているし、かなり荒ぶる神様なんだろうか。

本堂内に階段があり、上がっていくと屋外の展望所みたいなところに続いていた。

展望所には「奥の院」みたいな感じの東屋風の建物があった。ここでも仏像に参拝。

上の写真で天井から吊ってあるのは、おそらく蚊帳を兼ねたカーテン。下にマットも敷いてあるし、坊さんが瞑想する場所になっていると思う。

高台に上がってきたので、景色はきれい。

パンガーの町を眺めてみた。背後に山がある小さな町ということがわかる。さらに遠くに奇岩地帯みたいな風景が見えるが、あの辺りはパンガー湾に面した地域だと思う。景勝地になっているのかもしれない。

しばらく景色を眺めた後、下に下りて寺院内をもう一回りしてみた。唯一の動くアトラクションは故障していたものの、たくさんの神像や地獄風景の亡者たちは見ていて楽しかった。プーケット滞在中、この寺院へ来るような人はかなりのもの好きだけだと思うが、地獄寺が好きな人はぜひとも訪問してみてほしい。


名残惜しいが、これで寺院を出てパンガーの町へ戻る。

寺院の前に小さな店があり、ここでアイスクリームとコーヒーを買って休憩。

では、これで寺院とはお別れ。いつかまた、ここへ来てみたい。

来たときとは違う道を通って大通りまで戻ると、分岐点にこういう案内書きがあった。これからワットタムターパンを訪問する人は、このお爺さんが指さす方向へ行けばたどり着けます。

これからパンガーのバスターミナルまで移動しないといけない。歩くにはちょっと距離があるのでバイクタクシーを利用したいが、大通りを歩いていてもバイクタクシーは見当たらない。

上の写真で道路の向かい側にあるのは学校。ちょうど下校時間にあたり、制服姿の中学生たち(多分)に混じって歩き続けた結果、結局はミニバスを下りたツーリストインフォメーションまで来てしまった。

ここでバイクタクシーに乗れる場所を聞いてみたところ、近くの交差点を指差してくれた。そこまで歩くとバイクタクシーが何台か停まっていて、無事に乗ることができた。バスターミナルまでは50バーツ。

今回、ツーリストインフォメーションではパンガーの地図をもらったりして世話になった。ここのスタッフには感謝している。

パンガーの町外れにあるバスターミナルに到着し、プーケット行きのミニバスを探すとすぐに見つかった。17時15分発の最終便で、到着したのが16時40分だったので意外と余裕がなかった。ミニバスでパンガーを訪れる人は、帰りの便があまり遅くまでないことには注意しておいてほしい。

ミニバスに乗り込むと、天井が鏡張り。なんだか不思議なバスだった。

プーケットまでの運賃は100バーツ。パンガーから約2時間、午後7時過ぎにプーケットタウンのバスターミナルに到着した。


朝はカタビーチからプーケットタウンまでソンテウで移動したが、この時間はソンテウがあるかどうかわからない。それに帰りの飛行機の時間を考えると早く移動したいので、タクシーを利用した。料金は500バーツかかったが、これは仕方がない。

カタビーチ沿いの大通りで下ろしてもらい、今回の滞在ですっかりおなじみになった “Kata Beach Walking Street Market” でマンゴー&ヨーグルトシェイクを注文(60バーツ)。

空港へ移動してから夕食にするつもりなので、ここでは飲み物だけにしておいた。


歩いてホテルへ戻り、預けていた荷物を受け取ってからタクシーを呼んでもらった。今回滞在した Aloha Residence というホテルは、ビーチまで歩いて行ける距離にあって値段も高くないし、「絶対に部屋から海が見えるホテルじゃないと嫌だ」という人以外にはおすすめ。

1時間ほどで空港ターミナルに到着し、タクシー料金は900バーツ。ジンエアーのカウンターでチェックインし、出国してからラウンジへ。先ほどカタビーチで夕食にしなかったのは、ラウンジで十分に食べることができるため。プライオリティパスを持っていると、空港で豪華な食事を無料で楽しめるのが助かる。

23時45分、プーケットを出発して乗継ぎ地のソウルへ。


朝7時、ソウルに到着。往路での乗継ぎ時と同様、Matina Lounge に入って朝食にした。繰り返すが、プライオリティパスが使えると空港での食事は無料になる。

11時半ごろ搭乗が始まり、12時にソウルを出発。午後1時半に福岡空港に到着した。3年連続の海外での年越しとなったタイ旅行は、これで終了。


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