台湾旅行記(二水 / 集集線)

この日の目的地だった南投県の萬丹宮訪問を終えて田中駅に戻ってきた。このまま彰化に戻ってもいいが、時間があるので集集線というローカル線に乗ることにしていた。

台湾国鉄には観光客向けのローカル線がいくつかあり、その中でも平渓線や阿里山林業鉄道などは有名。集集線も雰囲気のいい鉄道ということなので、この機会に乗ってみた。


田中駅から普通列車に乗り、ひとつ隣の二水駅へ。ここが集集線の始発駅になる。

ホームにはすでに集集線の列車が到着していた。いい感じにローカルな列車で、カラーリングが黄色なのは集集線の沿線がバナナの産地だからだそう。

14時40分に二水駅を出発。田園風景の中を走ったかと思うと駅近くでは林の中の樹木ぎりぎりを通ったり、アトラクションとしても面白かった。途中、アヒルがたくさんいる田んぼの横を通ったのだが、写真はうまく撮れず帰りに再挑戦することに。

二水駅から「源泉駅」「濁水駅」「龍泉駅」と水に関係する駅名が続き(しかし濁水とは面白い駅名)、30分ほどで集集駅に到着。

集集線はこの後「水里駅」「車埕駅」と続くが、2022年の水害により集集駅から先は不通区間となっている。終点の車埕駅は古い駅舎周辺が観光地になっているそうだが、残念ながら今回は行けない。

代わりに、集集駅付近を散策。

駅前は小さな公園として整備されていた。

駅前で保存されているSL。

公園とSL以外に観光客向けのものはないが、駅前の風景でちょっと面白いものを発見。

「日本本場九州博多・屋根裏」というラーメン店。日本のラーメンが人気なのはわかるが、どうして店名が「屋根裏」なんだろう。

個人的に屋根裏と聞くと江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」を連想してしまう。この店も上から誰か覗いていたりして。さらに毒薬を(以下略)。

妄想はここまでにして、気になったのがこちらの「九份のキョンシーがやってきた」の看板。

これはあの Believe It or Not Museum、つまり台湾で何度か見たことがある「捜奇博物館」みたいなB級スポットではないか。まさかこの町にもあったとは、と思って近寄ってみたのだが…

残念ながらシャッターが閉まっていた。この日が閉館日だったのか、もう閉鎖してしまったのかはわからない。ただ、キョンシーの看板も古くなっていないしポスター類も新しかったので、まだ営業してように思える(多分)。

これから集集駅へ行く機会がある人は、このスポットがオープンしているかどうか確認してほしい。

駅周辺をしばらく散策した後、ファミリーマートでパンと缶コーヒーを買って駅舎で休憩。やがて15時58分発の列車がやってきたので、これで二水駅へ戻ることにした。

来た時と同様、車窓風景を楽しみながら二水方面へ。アヒルがたくさんいる田んぼを通るときはカメラを用意していたが、明らかにアヒルの数が少なくなっていた。往路で見たときは田んぼを埋め尽くすくらいの迫力だったんだが。

16時半、二水駅に到着。当初はすぐに彰化へ戻るつもりだったが、まだ明るいし、せっかくなので駅周辺を歩いてみることにした。集集線の起点となる駅だが、駅の外に出たことのある人は意外と少ないかもしれない。

最近は台湾でも擬人化した萌えキャラが流行しているんでしょうかね。

周辺の景色を眺めながら、駅前から続く道路を歩いてみた。典型的な台湾の郊外の町という感じで、寺院があったので立ち寄ってみることに。

寺院の名前は「天上聖母・安徳宮」。電光掲示板があるのが台湾の寺院に共通する特徴。

何やら大勢の読経の声が聞こえてくるので、本堂内を見てみたら信徒の皆さんが集まっていた。

独特のリズムで続いている読経を聞きながら、こちらは邪魔にならないように寺院内を散策。こちらの入口から、赤く光っている本堂内へ。

赤い光の正体は、天井にたくさん下がっている提灯。これだけ並ぶと不思議な雰囲気。

天井の写真を撮ると、見事に真っ赤になってしまった。

安徳宮から細い道路を挟んだところでは、人形劇が行われていた。おそらく劇団の興行だと思う。

しばらく人形劇を眺めた後、安徳宮の周辺を少し散策し、次第に薄暗くなってきたので二水駅へ戻ることにした。特に観光地というわけではない町を歩くのも、いろんな発見があって面白いもの。

二水駅から普通列車に乗り、彰化駅へ。続きは次のページで。