台湾旅行記(新竹 / 普天宮)

新竹滞在2日目は、まず郊外の普天宮という寺院へ行き、周辺の寺院を見ながら新竹へ戻ることにしていた。

これは Google Map を見ると普天宮の周りに多くの寺院が集まっていることがわかったため。特に「九天玄女廟」という寺院は面白そうなので楽しみ。


朝7時半に起床。予約したときは意識していなかったが、このホテルは朝食付きだった。お粥などの台湾式の朝食を取り、9時ごろ外出。

部屋を出る際、この階には304号室がないことがわかった。4が忌み数字なのは日本くらいかと思っていたが、調べたところ漢字文化圏で共通する風習ということだった。

ホテルを出て駅方面へ。その途中の工事現場に立っていた人形の動きが面白かった。動画では撮らなかったが、ひょこひょこと動いている姿に見入ってしまうほど。

目的地の普天宮は、駅から3.5kmほど。最初はネット上で情報を見つけたレンタサイクルを使おうかと思っていた。台湾では駅前などの主要スポットに多くのレンタサイクルが並んでいて、2017年に高雄に滞在したときに利用したことがある。

そこで、当時と同じようにクレジットカードを使ってロックを解除しようとしたのだが、何度やってもうまくいかない。結局、自転車は諦めた。

後日調べたところ、2023年時点では台湾で発行されたIDカードがないと借りられないシステムになっているようだった。つまり外国人は事実上利用不可ということなので、これから台湾を旅行する人は注意してほしい。

ということで、自転車ではなくタクシーで普天宮へ移動。以前は行き先を紙に書いて運転手に見せたりしていたが、今はスマートフォンで Google Map の写真を見せればすぐに伝わる。本当に便利な世の中。

新竹駅から10分ほどで普天宮に到着。しかし目的地が山の中にあるので、これは自転車だと上り坂の連続で大変だった。結果的にタクシーにしておいて正解(料金は185元)。

では、普天宮の中へ。

今回、この寺院を目的地に選んだのは、ある神像を見るため。木の枝の間に、その神像が見えてきた。

いやー、見上げると巨大だ。

本当に、なかなかの迫力。

こちらが、今回どうしても見たかった関羽像。少し離れないと全体像が見えないほどで、実際に見てみると改めて巨大さに驚く。高さは36mだそう。

関羽像のアップ。言うまでもなく、台湾では関羽は大人気の神様。

しかし威厳のある姿ですねえ。日本では大仏や巨大観音像は見るが巨大神像を作るという発想はないように思う。台湾へ来ないと、こんな大迫力の姿は見られない。

しばらく関羽像を眺めた後、周辺を散策。2色に塗り分けられたウサギ(?)など、変わった像もあった。

では、本堂に参拝。台湾の寺院はどこでも豪華絢爛。

ルートにしたがって、それぞれの神様を参拝した。中央に鎮座するのはもちろん関聖帝君。

それぞれの神像の写真は撮っていないので、見たい人は直接訪れてほしい。

本堂内に階段があり、おそらくここから巨大関羽像の体内に入れるはず。しかし、この通り公開されておらず、先へ進むことはできなかった。

本堂内の参拝を終え、続いてこちらの建物へ。

この建物は「太歳星君殿」。なので、この通り「六十甲子太歳像」がずらり。

ということは、もちろんあの「金辨大将軍」様を探さないわけにはいかない。その姿は右上のほうにあった。

目から手が!

どの寺院で見ても、やはりこの姿は強烈だ。今後もライフワークとして金辨大将軍様を探していきたい。

建物内には、祭りのときに使う被り物も置かれていた。腹の部分に空いている穴から外を見る形になるので、この被り物をすると身長2メートル以上の姿になる。

今まで台湾旅行中に何度か祭りに遭遇したことがあり、この被り物が境内を歩いている姿を見たが、なかなかの迫力だった。

続いて、こちらの四面佛へ。

四面佛はもともとタイの神様だそうだが、台湾の寺院でもよく見かける。4つの顔と8つの手を持っているのが特徴。

四面佛の周りには象の置物が並んでいて、池には鯉が泳いでいた。

今回、普天宮へ来たのは関羽像を見ること以外に「古奇峰風景区」という庭園を見るという目的もあった。しかし…

え? 閉園中?

これにはがっかり。ネット上の情報によると、ここは兵庫県の太陽公園みたいに世界各地の石像のレプリカが並ぶ庭園になっているらしい。2007年に太陽公園を見てきた者としては、両者を比較してみたかったんだが。

柵の間から、未練がましく庭園の入り口付近を眺めてみた。

説明書きにはちゃんと「毎日開放時間:午前8時~午後5時」と書いてあるんだけどなあ。

別名「鄭󠄀再傳紀念公園」なので、鄭󠄀再傳という人の作品群らしい。この通路の先には、どんな石像が並んでいるんだろう。

四面佛の前にあったベンチに座って休憩していると、私と同様に入りたそうにしている老夫婦がやってきた。その人たちの様子を眺めていると、夫のほうが寺院関係者に尋ねていたようだが、妻のほうを見て首を振っていた。これで、中に入れないことが確定。

仕方がないので、庭園は諦めてさらに周辺を散策。「普天月老星君廟」という建物も、入口が閉ざされていた。

一番奥のシャッターが半分閉まっている建物を覗いてみると、倉庫になっていた。

では、あの関羽像の足元の階には上がれるだろうかと思ってルートを探してみた。

いったん寺院の外に出てみると、この空中回廊から行けるらしい。ただし、回廊の両側の扉は閉まっている。

回廊の入り口を探すと、こちらの入口から入るようだった。しかし、見ての通り扉は固く閉鎖中。

しばらく寺院の周りを歩き回ってみたが、階段などは見つからない。関羽像の足元までは上がれないようなので、結局諦めた。

寺院を囲む壁に描かれた絵は面白い。

壁に沿って歩いていると、ここから先は「新竹仁愛児童之家」になっていた。つまり児童養護施設みたいなので、中には入らずここで引き返す。

境内に戻ると、こういうゲートがあった。これは古奇峰風景区からの出口。

古奇峰風景区を見下ろすことのできる場所もあった。今回、ここに入れなかったのが残念。

その後も境内を散策し、そろそろ出ることにした。寺院内にいた時間は1時間20分ほどで、古奇峰風景区には入れなかったものの、巨大関羽像を見られたのは満足。

閉店した土産物店の前にも、面白い石像が。

駐車場を横切って歩いていると、こういう石像もあった。おそらくエジプトの石像を模していると思うので、古奇峰風景区からあふれた作品だろうか。

関羽像の背中に別れの挨拶。

駐車場を出ようとすると、気になる表示が。

「星期六、日」「免費開放中」だそう。星期六が土曜日、星期日が日曜日なので、つまり土日のみ無料開放ということらしい。

この日は水曜日。どうやらタイミングが悪かったようだが、まあこれは仕方がない。いつかまた、曜日を合わせて普天宮を再訪したい。

この後、歩いて新竹駅まで戻ったが、途中に面白い寺院がいくつもあった。それらの訪問記は次のページで。