民話の里として有名な遠野市には、かなりの数の観光スポットが点在している。
一般の観光客は「遠野ふるさと村」「伝承園」「遠野昔ばなし村」などを回るのだろうが、今回はあまり時間がなかったため、ぜひ見たいと思っていた「山崎のコンセイサマ」とその近くにある「カッパ淵」の2ヶ所だけを訪れることにした。
山崎のコンセイサマ
遠野市街から国道340号線を北上し、途中から横にそれて雪道を少し進んだところにコンセイサマがある。予想通り、こじんまりとした神社だった。
人間より動物の足跡が多い雪の上を歩き、本堂へ。本堂内には6畳ほどの畳敷きの部屋があり、その奥に御神体がある。
いやあ久々! ここは以前このサイトで好んで取り上げていた「男根を御神体にした神社」。このところネタ切れで訪れていなかったが、やっぱりこういう神社は面白い。「コンセイサマ」とは、漢字で書けば「金精様」なのだ。
この御神体は、説明には「昔からその存在が語り継がれてはいたものの長い間現物がなく、近年砂防工事現場の土砂の中から発見され、改めて祀られた」とあった。なかなか数奇な経歴を持っているようだ。
御神体のまわりには、この種のスポットのお約束ともいえる木製の奉納品がいくつかと、さらにタワシがたくさん置いてある。説明書きによると「婦人の腰の病気に効くといい伝えられ、タワシで磨くと快癒するとされている」だそうだが、なぜ「婦人の腰の病気」なのか、ちょっと気になる。男性の病気のほうがはるかに効き目がありそうだが。
建物内には男根を御神体にした他の神社の写真が額に入れて飾られており、見たことがある景色だと思ったら愛知県小牧市の田縣神社だった。なんだか懐かしい。もう一度、豊年祭を見たいものだ。
建物の外には、下の写真のような陽石と陰石がある。
他に参拝者はまったくいなかったが、しかしなかなか面白い神社だった。今後もライフワークとしてこういった神社仏閣を訪ね歩いていきたい。
カッパ淵
常堅寺という寺のすぐ近くにある。なんだかバランスの悪い仁王像(江戸時代に作られたものらしいが、手と頭が大きすぎ)が並んでいる山門をくぐり、境内に入るとカッパ淵の案内板がある。木彫りの河童像が並んでいる本堂に参拝してからカッパ淵へ。
下の写真がカッパ淵の全景。周囲は深閑としていて、聞こえるのは水の流れる音だけ。雰囲気はなかなかいい。20分ほど周囲を散策。
「かつて河童が住んでいた」という言い伝えがあることからカッパ淵と言うらしいが、こんな浅い川に河童は住めないような気もする。もっとも、昔はもっと深かったのかもしれないが。
川の横に河童を祀ってある小さな祠がある。
下の写真が祠の内部。河童像などはいいとして、
この爺さんは誰?
遠野駅へ戻ってレンタカーを返却し、土産物店を少し見てから3時40分発の普通列車で釜石へ。土産物店ではコンセイサマの御神体の形をしたキーホルダーを買った。
滝観洞の近くにある上有住駅を過ぎると、次の陸中大橋駅近くに「オメガループ」というスポットがある。名前の通りΩ状になっているループ線のことで、はるか眼下に陸中大橋駅を眺めることができた。
釜石に到着するころには、周囲はすっかり暗くなっていた。時間はまだ4時半ごろだが、このあたりが本土最西端にある長崎県とは大違い。
釜石で宮古行きの普通列車に乗り換え、6時に宮古駅に到着。この日は宮古市内のビジネスホテル泊。
(2004.12.24)