今回のマレーシア&台湾旅行最後の目的地が台北近郊の淡水という町。2008年3月にも淡水へ来たことがあり、今回が11年半ぶりの再訪。
淡水の街中に「捜奇博物館」というB級スポットがあり、そこの展示物を久しぶりに見るのが淡水に立ち寄った理由。今回は捜奇博物館の姉妹館らしい「失恋博物館」というスポットがあり、そちらも見ることができた。
なお、2018年に台湾南部の高雄近郊にある旗津という地区でも捜奇博物館を見たことがある。そこと同じ展示物もあったので、おそらく台湾でチェーン展開している博物館だと思う。
富基漁港から45分ほどで終点の淡水駅前に到着した。ここは台北からMRTで気軽に行ける観光地なので、前回の旅行時と同様に多くの観光客が歩いていた。
まずは、捜奇博物館があるこちらの観光通りへ。
この日は土曜日ということもあって、人通りはかなり多かった。土産物店が並んでいるが、まずは目当ての場所へ。
こちらが捜奇博物館。11年ぶりだが、外観はほとんど変わっていない。大きなサメも当時のまま。
早速入ろうとすると、向かい側の建物が目に入った。「失恋博物館」という名前から、明らかにB級スポット的な感じがする。11年前はなかったので、その後にできたのだろう。
建物の入口まで行ってみたところ、シャッターが閉まっていた。
この時点では「土曜日だから閉館日とは思えないし、すでに閉鎖されたのかもしれない。もっと早く来るべきだった」と思ったが、捜奇博物館を見た後に来てみたら中に入ることができた。昼食時ということでスタッフが出かけていたのかもしれない。
捜奇博物館
では、捜奇博物館に入ることにする。料金は89元。
以下、館内の風景を並べておく。展示物は前回見たときとほとんど変わっておらず、相変わらず怪しさ大爆発という内容だった。あの「ムー」的な世界と言えばわかると思う。
まずは貞操帯と河童のミイラ。ミイラの説明書きは「日本河童」で、この脈絡のなさがB級スポットらしい。
展示品は怪しげなものばかりだが、展示スペースは金がかかっていて、館内はかなりきれい。意外と入場者が多く、儲かっているんだろう。
珍しいものの定番といえる「100兆ジンバブエドルドル札」と「ダイオウグソクムシの標本」。ジンバブエは私も2007年に旅行したことがあるが、当時の最高額紙幣は10万ジンバブエドル札で、これは今でも記念に1枚持っている。
「老保険套」は、つまり上からかぶせるもの。「男性貞操帯」というもの面白いが、どうやって使うんだろう。
「大嘴的女人」「角頭人」と「蛇的骨格」。
こちらは生き物の飼育コーナー。毒グモや毒サソリなどがいた。
頭が2つある生き物の標本シリーズ。
この大きなものは「大象陽具」。つまり象の男性器で、写真撮影コーナーになっていた。
写真撮影コーナーは、他にもたくさんあった。トイレの便器から顔を出すという構図もすごい。
その中でも、特に面白かったのがこちら。
ここでの写真の撮り方については、旗津の捜奇博物館にあった こちらの写真 を参照してほしい。
館内には失恋博物館の案内もあった。これで、2つの博物館が姉妹館ということがはっきりした。しかし英語名の「House of Broken Heart」というのがストレートすぎて面白い。
あと、面白かったのがこちらの表示。中国名物の「没有(メイヨー)」と「歪 FI」の組み合わせ。歪は中国語の発音も「ワイ」だったのか。
なぜ「没有」が中国名物なのかというと、かつて中国本土で旅行者に対して頻繁に投げ掛けられていた言葉だから。
没有は「ない」という意味で、国営が基本だった頃の中国では働いても働かなくても給料が変わらなかったことから、ホテルで部屋に空きがあるか聞いても「ない」、レストランで定番以外のメニューを頼んでも「ない」と返されるのが普通だったらしい。働く意欲がなくなれば、人間は面倒なことをしたくなくなるということ。
もちろん、台湾は中国本土とは事情が違うだろうし、現在は中国も状況は変わってきているはず。ただ、ある程度の年代以上の人であれば、知っている中国語として「ニイハオ」「謝謝」の次くらいに「メイヨー」が出てくると思う。
という話はこれくらいにして、怪しげな展示品を堪能してから捜奇博物館を出ることにした。
ムー的な世界が好きな人であれば、かなり楽しめる博物館だと思う。館内の風景については、2008年の台湾旅行記のページにも写真を載せているので、そちらも参照してほしい。
失恋博物館
捜奇博物館を出て失恋博物館へ行ってみると、シャッターが開いていた。閉鎖したものとばかり思っていたので、予想外の事態に驚く。
ともかくも、これで中に入れるのは嬉しい。しかし「失恋入口」というのがストレートすぎ。
料金は捜奇博物館より安く、59元だった。階段を上がって2階へ。
階段の途中にも、いろんな展示があった。写真と漢字を見ていると、なんとなく意味は分かる。
ほぼモノクロの階段も、失恋をイメージしているみたい。
2階に上がるといくつか部屋が並んでいるが、どれもガランとした感じで展示品は少なかった。おそらく、あえて殺風景にすることで失恋のイメージを表現していると思う(多分)。
もっとも、捜奇博物館と違って展示できそうなものがまだ集まっていないかもしれない。「失恋に関するアイテム」というのも、考えてみれば難易度が高そう。
ガラスケースの中には雑多なものが並んでいた。しかし日本の減肥茶が置いてあるのは「失恋したくなければ痩せろ」という皮肉なんだろうか。
減肥茶の横の回転式砂時計は、アンティークな置物として自宅に欲しい気もする。失恋と何の関係があるんだろうと思ったが、失恋してからの時間経過を意識させようとしているんだろうか。
こちらの部屋にはボクシングのパンチングボールが置いてあった。
これに関しては「ここに思いのたけをぶつけろ」という意味なんでしょうね。下にはボクシングのグローブも置いてあった。
失恋というちょっと難しいテーマだからなのか、まだ展示品などの構成が定まっておらず、発展途上にある博物館という気がした。いずれは捜奇博物館くらいに充実したB級スポットに進化してほしい。
こちらの「留言板」には来訪者のメッセージがたくさん掛けてあった。日本語のものもいくつかあって、そのうちのひとつが「いつもありがとう♡」。何が「ありがとう」なんだろう。
捜奇博物館と比べると小粒だったが、しかしB級スポットとしては面白かった。淡水へ来る機会は今後もあるはずなので、失恋博物館がどのように発展していくか、楽しみにしている。
2つの博物館を楽しみ、淡水の観光通りへ。できればゆっくりと歩きたいものだが、そろそろ空港へ移動しないといけない時間になってきた。
残念だが、淡水観光は諦めてMRTの淡水駅へ。
淡水を出発し、40分ほどで台北駅に到着。ここで空港線に乗り換え、桃園空港第1ターミナル駅に移動した。
台湾到着時に荷物を預けていたロッカーを見つけ、料金を確認したら540元と表示された。料金は現金以外に Easy Card でも支払えるが、残高が足りない。カードに少しだけチャージして、問題なくロッカーを開けることができた。
バニラエアのカウンターでチェックインし、台湾を出国。ラウンジで休憩し、搭乗時間が近づいたのでゲートへ。バニラエアは漢字では「香草航空」と書くのか。たしかにその通りなんだが、ちょっと笑ってしまう。
午後5時ごろ離陸し、夜8時に福岡空港に到着した。初めて利用したLCCのバニラエアだが、まったく問題なく快適だった。今後も台湾旅行の際に利用することになると思う。
日本に入国し、レンタルしていた WiFi を返却。通常であれば高速バスで佐世保へ戻って旅行終了だが、今回は日本出発時と同様、帰りにも重要な用事がある。それが翌日の経営大学院のクラスへの出席。
クラスは各科目が2週間おきに行われていて、この期間は3科目を受講していた。このマレーシア&台湾旅行は、土曜日のクラスと日曜日のクラスの合間となった7日間に実行したもの。なので旅行記では触れなかったが、ホテルでの滞在中は日曜日のクラスの予習課題をやっていた。
おかげで旅行中の夜は相当に大変だったものの、むしろクラスの開催スケジュールが絶妙の日程になっていて、7日間の旅行日数が確保できたことと福岡への交通費が節約できたのが嬉しかった。
空港から博多駅へ移動し、自分にとって福岡での定宿になっている こちらのホテル に宿泊。
翌日は7時に起床。ホテルをチェックアウトしてからネットカフェで予習課題の最終仕上げと提出を行い、10時~13時にクラスを受講。まるで綱渡りみたいな感じだったが、何とか無事に終えることができた。ほっと一安心。
午後2時過ぎに福岡を高速バスで出発し、佐世保へ戻った。これでようやく今回の旅行が終了。
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