タイ旅行記(ワットパーラックローイ – 5)

かなりページが多くなってしまったが、ワットパーラックローイについてはこのページが最後になる。どこへ行ってもこんなオブジェのオンパレードで、次第に感覚が麻痺してきた。しかしすごい密度というか、こんな大量に作った情熱には感動する。

こちらは、おそらく庶民の生活風景。トップレスで寝ている人はよくわからないが。

柵の向こうには様々な人たちが並んでいた。特に気に入ったのが下の写真の人たちで、それぞれモデルになった人がいるのかどうかは知らないが、左上は「安岡力也」、右上は「手越祐也」、左下は「嘉門達夫」、右下は「宇宙人の草なぎ剛」と命名。

これは「現代文明に押し潰されそうになっている人たち」という意味だろうか。もっとも、そんな高尚な意味など考えていないもかもしれない。先頭で担いでいるのは軍人さんだし。

ここで、寺院内のあちこちにあったバンドをまとめて下に載せておく。どれも前に座っている人の胸に料金箱があり、料金を入れた人の後ろにいるキャラクターが歌い出すというもの。料金箱ごとに音楽も異なるという凝りようで、他の来訪者たちもあちこちで動作させて楽しんでいた。人間だけでなく骸骨や犬や猿が歌いだすのが面白い。

それぞれの動画を載せておく。しかし屋外に動くアトラクションを置いておくとメンテナンスも大変だと思うが、ほとんどがきちんと動く状態なのは感心する。(よく見るといくつか動いていないものもあるが、これは許容範囲内)

これはいい!

動くアトラクションとしては、今まで見た中でもかなりお気に入りの物件になった。ワットパーラックローイへ来たら、ぜひ一通り動作させてみてほしい。動きがぎこちないのも、それはそれで味がある。

最後に、地獄エリアにある木を紹介する。

ワットムアンとワットセーンスックでも見た、亡者が登らされるトゲトゲの木の変形バージョンだと思う。しかし枝が絡み合っているところと樹木が赤く塗られているのが斬新で、他の地獄寺ではこういうのは見たことがない。調べたところ、これは浮気をした人が登らされる木だそうで(それで亡者は全裸)、ということはあのYマウスさんは死後ここへ来ることが確定。

これで寺院内をひと回りしたことになる。長い道のりだったが、なんとか寺院内一周をやり遂げた。入口の象も喜んでくれているように見える。今は達成感でいっぱい。

この後、もうしばらく寺院内を散策し、池のほとりの建物で土産物(といっても、それほど面白そうなものはなかったので無難なハーブ石鹸など)を買ってみた。その際、建物内にいた坊さんに声をかけられ、しばらく話すことになった。そこそこに英語を話す人で、こういう人が一番助かる(あまりにも流暢だと聞き取れないので)。寺院内を3時間以上歩き回り、すごく楽しかったと話すと、ちょっと嬉しそうにしてくれた。

そろそろ帰ろうかと考えていることを伝えると、知り合いのトゥクトゥクを読んでくれるという。せっかくなので好意を受けることにすると、坊さんが袈裟の中から携帯電話を取り出すという不思議な光景を見ることができた。5分ほどで来るそうなので、露店でココナッツを買い、ストローで飲みながら休憩。坊さんとも少し話をしたが、わざわざ日本からワットパーラックローイを見に来てくれたのが嬉しかったようだ。ただ、さすがに「日本にもこういう物好きは少なからずいるんですよ」なんてことは言えなかった。

やがてトゥクトゥクが来て、坊さんに挨拶してからワットパーラックローイを後にした。私が今までに見た地獄寺の中でも、規模においてはタイ随一と言っていいだろう。アトラクションを含めた総合評価で言うと、世界最強レベルの珍寺と思っているパトゥムターニーのワットプートウドムと並び、タイ地獄寺界の双璧といっていいと思う。地獄寺に興味があれば、この2ヶ所は絶対に訪れるべきだし、私もいつか再訪したい。ここは地獄界のマストアイテムと断言できる。


ノーンタイのバス乗り場へ着くと、ちょうどナコーンラチャシマー行きのバスが到着したところだった。急いでチケットを買い(21バーツ)、乗ろうとすると車内は超満員。マイクロバスならともかく、こういう大型バスで身動きできないほどの超満員というのは珍しい。個人的には、これは2007年に奈良県明日香村の飛鳥坐神社おんだ祭を見に行った際、橿原神宮前駅からの奈良交通バスが超満員だった時以来の混雑ぶり。

運転手のすぐ横に立ち、ナコーンラチャシマーへ移動。終点に着く直前に大勢の乗客が降りていったので、少しだけ座ることができた。ノーンタイから45分で終点のバスターミナルに到着した。というわけでノーンタイまでの所要時間は45分ほどなので、これからワットパーラックローイへ行ってみようと考えている人は参考にしてほしい。車掌に伝えていてもあまり当てにならないので、そのつもりで。