カンボジア&タイ旅行記(ワットコー、ワットスレアチャック)

朝9時に起床。10時半にチェックアウトし、ゲストハウスを出た。

今回宿泊した「ホンファン」は部屋も立地もよく、快適に滞在できた。ここにもう1泊することも考えたが、市街地の北にあるボンコック湖(湖畔にゲストハウスが並んでいる)を見てみたかったので、やはり宿泊先を変えることにした。


ボンコック湖方面へ向かう前に、地図を見ると近くに「ワットコー(Wat Koh)」という寺院があったのでそちらへ行ってみた。地図を見ても、寺院の敷地はかなり広い。

中に入ると立派な本堂があった。白と金色の対比がきれいだが、本堂の中には入れなかった。

本堂の横のストゥーパが並び、それぞれ四面仏がある。近くで見ると面白い。

そして、この寺院の中には学校があった。ちょうど授業が行われている最中らしく、子供たちの声が聞こえてくる。何だか江戸時代の寺子屋のような感じ。

帰国後、ワットコーで検索したら以下のサイトが見つかった。

見つけたときはこの寺院の公式サイトと思ったのだが、アルファベットがほとんどないのでまったく読めない。タイにもワットコーという寺院があるようだし、どうもタイの寺のサイトのような気もする。ちょっと自信が持てないので、読める人がいたら教えてほしい。

(2021年1月追記)

このサイトはやっぱりタイの寺院でした。所在地はタイ北部のラムパーン県で、詳しい位置はこちら。

ただ、この寺院もいつか訪問してみたいと思うほど興味深いので、記述はそのままにしておきます。


ワットコーの前からバイクタクシーに乗り、ボンコック湖へ移動。バイクタクシーを下りたのは中級ホテルが数軒あるところだが、しかしここからは湖は見えない(この理由は後ほどわかった)。少し歩くとゲストハウスが並んでいる一帯がある。

その中で「グランドビュー」という名前は立派なゲストハウスに入ってみた。ここを選んだのは、建物も大きく名前から考えても湖を一望できるだろうと考えたため。

フロントで聞くと部屋は空いているということだった。通されたのはエアコン、テレビ、ホットシャワー付きの部屋で、料金は12ドル。明かり取りの窓しかないので少し薄暗く「これならホンファンのほうが良かったのでは?」という気もしなくはないが、まあ1泊だけなので特に気にすることもないだろう。

部屋で少し休んだ後、出かける前に湖を見ようと思って階段を上がってみた。途中、屋外に出られる場所があり、そこからはボンコック湖が一望できた。

埋立て中かい!

湖を見るためにゲストハウスを変えたというのに、何という脱力感。あまりの衝撃に、しばらく言葉が出なかった。今回のカンボジア旅行は図書館で借りた「地球の歩き方2009-2010年版」を参考にしたのだが、最新版ではなかったためか、この情報はまったく載っていなかった。

帰国後に調べたところ、この埋立ては2008年に始まったらしい。将来は高層ビルが並ぶ地区にする計画らしいが、湖周辺に多く住んでいた貧困層にはおかまいなしだそうで、一方的に立ち退きを迫られているという。何だか問題になっているらしいが、この景色を見るまで恥ずかしながらこのことはまったく知らなかった。

湖が消えていたことは衝撃だったが、気を取り直して出かけることにした。それにしても湖畔のホテルやゲストハウスは「湖が一望できる」というのが売りだったはずなので、相当に影響を受けているのかもしれない。


この日の最初の目的地はプノンペン郊外にあるキリングフィールドだが、地図を見ると近くに「ワットスレアチャック(Wat Sras Chak)」という寺院がある。せっかくなので立ち寄ってみたところ、ここは予想以上に面白い寺院だった。

門の横にある金色のシンハー像。トンレサップ湖畔に並んでいたものよりスマートに作られている。

こちらは本堂。特にガイドブックに載っているわけでもない小さな寺院だが、それでも本堂はこれだけ立派に作られている。これならプノンペンにしばらく滞在して市内の寺院めぐりをやっても面白そうという気がしてきた。なお本堂の中には入れない。

この寺院のナーガは緑色で、金色の本堂との対比が面白い。

本堂の周辺を歩いてみると、面白い物件がたくさん見つかった。以下、それらを並べておくが、かなり変わった寺院ということがわかると思う。まさかこんなところで珍寺に遭遇するとは!

予想外の収穫に大喜びしながら、境内の写真を撮って回ることにした。最初は寺院内の木陰に並んでいた金色の仏像たち。多分、釈迦と弟子たちではないかと思う。

木陰には涼んでいる人が10人ほど座っていたので、なるべく写り込まないように写真を撮ってみた。ちょっと気を使ったのだが、その人たちは色々な角度で写真を撮っている私を不思議そうに見ていた。変わった物件を見つけたことで私は大喜びしているのだが、観光客が来るような場所でもないし、地元の人たちからすれば「何でこんなものを嬉しそうに撮っているんだ?」という感じかもしれない。

こちらは色とりどりの神様たち。色使いなどはヒンドゥ教の神様を連想させるが、宗教にはあまり詳しくないので正体はよくわからない。

境内には他にもさまざまなオブジェがある。僧侶などはまだいいとして、2体の老人像は意味不明。しゃがみこんでいる人と杖をついている人だが、ずいぶんとリアルに作られている。いったい、この2人の正体は何なのだろうか。

そして一番衝撃的だったのがこれ。台の上に横たわっている人で、顔がこんなになっている。これは地獄風景なのかもしれない。

境内の写真を撮って回っていると、男の子が「こんなものもあるよ」という感じで隅の方に案内してくれた。よくわからないが、おそらくは聖人を祀ってあるものと思う。顔の造形がリアル。

この男の子が建物の中にも案内してくれた(本堂とは別の建物)。椅子にお爺さんが座っていて、どうやら男の子は孫らしい。せっかくなので参拝した後、寄進料を納めてきた。多分、男の子も寄進料を払ってもらうために案内したのだろうし、私のほうも予想以上の珍寺に巡りあえて喜んでいたので、ここでは5,000リエルをガラスの箱に入れてきた。

お爺さんと男の子に挨拶をしてから、建物を出た。たまたま立ち寄っただけの寺院だが、これだけの珍オブジェを見ることができ、何だか掘り出し物を見つけたような気分になれた。もしかしたらプノンペンにはこういう変わった寺院がたくさんあるのかもしれない。いつか、プノンペンの寺院を地図を見ながら片っ端から訪ね歩いてみたい。

では、近くにたむろしていたトゥクトゥクに乗り、キリングフィールドへ向かった。