国内旅行編(宮崎 / 陰陽石再訪)

小林 I.C.からタクシーで小林市街のバスターミナルへ。前回来たときはバスがあったのだが、路線が廃止になっていたのでタクシーを利用した。

小林バスターミナルで陰陽石方面のバスを調べたところ、次の便は数時間後になっている。仕方がないので再度タクシーを利用することにした。1999年以来、9年ぶりの再訪になる。


陰陽石の駐車場に到着すると、前回来たときよりは整備されているが車はほとんど停まっていない。また、前回は周囲に閑散とした感じの土産物店やレストランがあり、さらに中に誰もいない秘宝館があったりしてうらぶれた感じを出していたが、今回はかなり雰囲気が開けている。

これは、前回来たときにあった土産物店や秘宝館などの建物がなくなっていたためで、先ほどのタクシー運転手の話によると前年にすべて撤去されたということだった。前回入らなかった秘宝館も見たいと考えていたため、話を聞いたときはあと1年早く来るべきだったと後悔した。

駐車場から少し歩くと陰陽石が見えてくる。

陰陽石のアップ。前回来たときは夕方だったのであまり鮮明な写真を撮ることができなかったが、今回は昼間なのでよく見える。なかなかの迫力で、これが自然石なのだからすごいと思う。

ここで撮った写真を知人に見せて「何に見える?」と聞いたところ「カエル岩?」という答えが返ってきた。カエルの頭に見えなくもないが、これを男根岩と説明したところ「それは無理があるのでは?」などと話していた。まあ、感性は人それぞれというところか。

陰陽石の裏手に回ってみた。ここからは男性版だけでなく女性版も見えるようになる。

男性版と女性版のアップ。男性版はわかりやすいが、水面近くの割れ目の部分が女性版ということになっている。さすがに女性版はちょっと無理があるような気もするが、この2つがあるからこそ、この岩は「陰陽石」と呼ばれている。

9年ぶりに陰陽石をゆっくりと見ることができ、ここでほっと一息。

前回来たときは、近くに陰陽石神社があった。今回は、そちらへ向かう通路が草ぼうぼうで、かなりの悪路になっていた。神社の建物はまだあるようなので、無理してそちらへ進んでみた。

背丈ほども伸びた草と蜘蛛の巣に注意しながら進むと、やがて周囲が開けてきて陰陽石神社に到着した。しかしながら、途中の通路がこの状態では、今はここを訪れる人はほとんどいないと思われる。

陰陽石神社の様子は前回来たときと特に変わっていなかった。男女和合に関するさまざまな物件が置かれている。

下の写真の石版(賽銭箱?)などは、インドのカーマスートラのようで面白い。

しばらく神社周辺を歩いた後、駐車場方面へ戻った。それにしても、神社へ向かう道は草ぼうぼうだし、秘宝館はなくなっているし、かなり寂れてしまったという印象を受ける。B級スポット的には残念な場所になってしまったことを感じながら周囲を散策し、小林市街に戻ることにした。近くに「野生蘭専門」と表示された小さな建物(おそらく植物園)があり「風流を解せぬ方には只の草」と書かれているところが唯一B級スポットを感じさせたが、閉まっていて入ることはできなかった。残念。

(注)この訪問の翌年、インターネットで陰陽石のことを調べてみたところ「ギャラリー蔵」という展示館が建てられていることがわかった。私が訪れたときに陰陽石神社にあった各物件と、かつて秘宝館に収められていた物件が展示されているという。また、売店があって陰陽石グッズも置いてあるそうで、意外とB級スポットとして復活しているらしい。いつか、また再訪したいものだ。


陰陽石からバス停に戻る途中、こういう祠があった。

祠の中を覗くと、こういう神様がいる。なかなか独特の姿だが、これは「田の神」といい宮崎県南部と鹿児島県で多く見られる農耕の神様。

ここの神様は体が赤く塗られていて顔の縁取りがすごくはっきりしているタイプだが、この辺りで見られる田の神は様々な造形があるという。隣のえびの市などは田の神を使って町興しをしているという話しだし、いつか田の神を見て回る旅行をしても面白いかもしれない。

帰りはちょうどいい時間にバスの便があり、小林バスターミナルに戻った。ここから宮崎行きのバスで宮崎市へ移動し、この日は宮崎市街に宿泊。

(2008.7.19)


14年後の2022年11月、陰陽石を再訪したところ驚異の変貌を遂げていました。激しく感動した再訪記は、当サイト別館に載せています。