国内旅行編(静岡 / 伊豆極楽苑、熱海秘宝館、他)

静岡滞在最終日。この日は修善寺と熱海でいくつかのスポットを訪問し、それから東京へ移動することになる。いずれもB級スポットとして有名な場所なので、見ることができるのが楽しみ。

伊豆極楽苑

三島から伊豆箱根鉄道で修善寺へ。修善寺駅からバスで伊豆極楽苑へ向かう。バス停から歩くと「地獄極楽めぐり」と書かれた建物が見えてきた。ここが、この日の最初の目的地「伊豆極楽苑」になる。

「地獄極楽めぐり」という言葉から、ここがどういうスポットかは想像できるはず。個人的に大好きな地獄めぐりができる場所で、前日の伊豆アンディランドに続いて地獄風景を見ることになった。

建物に入る前に、周囲を少し散策。

目立っているのは白色の象。

説明書きによれば「女神象」「男の人が手をふれると、愛する女性と結ばれます」だそう。

というわけで触ってきたが、私の場合は効果はなかったみたい。

では、いよいよ地獄極楽めぐりへ。ここからは極彩色の地獄風景を紹介したいところだが、残念ながら写真撮影禁止。内容が相当に充実しているので、一部を見たい人は下でリンクしている公式サイトを見てほしい。

ちなみに私が伊豆極楽苑のことを最初に知ったのは、1998年発行の 別冊宝島378・全国お宝スポット魔境めぐり という書籍。この本がきっかけになって訪れてみたB級スポットは多い。さすがに古い本なので、すでに閉鎖されたスポットも多いが、資料的な価値もあるので入手してみてほしい。

地獄エリアに入ると、まずは三途の川と賽の河原(子供が石を積み上げる場面が切ない)が続き、おなじみの閻魔大王の裁きの場面を経て六道の各世界へ。六道の中でも、内容が最も充実しているのはもちろん八大地獄で、鬼や亡者の造形が見事。

初級編の等括地獄から始まって次第に阿鼻叫喚の度合いが増していく地獄風景を見ていると、写真で紹介できないのが本当に残念。血まみれの亡者たちがいい感じだと思う。最後は赤鬼の「あなたは今後地獄には縁がありません」「お名残り惜しいけどさようなら」という言葉に見送られながら地獄を出た。

地獄の次は極楽エリア。こちらも人形使って極楽の世界が再現されていたが、しかし説明書きの「温度ハワイと同じ、寿命永遠、家賃、敷金、礼金ナシ、衣類、食事、全部タダ、快楽無限の世界」というのは、ずいぶんと煩悩にあふれた世界のようにも思える。急に「ハワイ」という地名が出てくるところも何とも。

ところで六道の「天道」は極楽浄土とは違って住人の寿命はあるはずだが(天人五衰)、「寿命永遠」ということはここは天道ではなく極楽浄土なんだろうか。ちょっと気になった。

地獄極楽を十分に満喫した後、続いて階段を上がってこちらのコーナーへ。ここは18歳未満入場禁止の秘宝展も併設されていた。

いやあ、いかがわしくていい感じですねえ。

この内部も紹介したいところだが、こちらも写真撮影禁止。内容は前半が春画や世界各地の玩具と人形、カーマスートラなどで、前日に見た伊豆オレンヂセンターと同じような感じ。ただ、当然ながら規模はこちらのほうが大きく、写真で紹介できないのが残念。

後半は「真言立川流」についての紹介で、名前くらいしか知らなかったので展示内容は非常に興味深かった。これらを見たい人は直接訪れてほしい。

秘宝展を出て、最後に土産物コーナーへ。

ちょっと面白かったのが、こちらのTシャツ。骸骨による四十八手かと思ったら、「Capricorn」「Scorpio」「Cancer」などと書かれているので星座を表現しているらしい。

興味はあったがTシャツは買わず、代わりにこちらを購入。

オードブル用のピックで、柄の部分が合体した男女になっているというジョーク商品。箱を見たら香港製だった。

館内を写真で紹介できないのが残念だが、しかし地獄極楽と秘宝展は楽しかった。またいつか、伊豆極楽苑を再訪したい。

熱海秘宝館、熱海城

修善寺から列車を乗り継いで熱海へ。学生時代に青春18きっぷで各駅停車の旅をやっていた時、熱海で何度か途中下車したことはあるが、宿泊したことはもちろんない。

熱海駅から坂道を下りていき、ホテルが並んでいる海岸沿いを歩いてロープウェイ乗り場へ。

熱海での目的地は、ロープウェイの先にある熱海秘宝館。当サイトの国内旅行編では日本各地の秘宝館訪問記を載せているが、熱海秘宝館は初訪問。意外な気もするが、なぜか訪れる機会がなかった。

では、ロープウェイで丘の上へ。海岸沿いに建っているホテルが眺められるが、ああいうところに宿泊する機会は今後あるだろうか。

丘の上に到着し、秘宝館のほうへ歩く。

では、期待しながら秘宝館の中へ。

ここからは写真と動画で館内を紹介したいところだが、残念ながら写真撮影禁止。まあ、これは事前に知っていたことだし、諦めましょう。

規模では元祖国際秘宝館(2007年に閉館)と嬉野秘宝館(2014年に閉館)には及ばないかもしれないが、それでも無駄に金をかけた脱力系のアトラクションが満載で、かなり楽しめた。

館内の展示内容については、以下の公式サイトを参照してほしい。手抜きだが、仕方がない。

この伊豆方面旅行は2009年だが、鬼怒川秘宝殿も2014年に閉館したし、この旅行記を作成している2023年時点で残っているのは熱海秘宝館のみ。ここは東京に近い有名観光地に立地しているので当分は大丈夫だと思うが、しかし将来はわからない。できるだけ長く存続し続けてほしいものだ。


熱海秘宝館を出て、続いて近くにある熱海城へ。ここもB級スポットとして知られている。

ただ、こちらも撮影禁止の施設が多いので、写真での紹介はできない。浮世絵や春画展などは充実していて面白かったのだが。

こちらのパネル展示コーナーだけは撮影禁止ではなかったようなので紹介しておく。並んでいるのは世界各地の世界遺産の写真。

ここで記憶に残っているのが、ヨルダンの世界遺産「トペラ」の写真。

「ペトラだろうが!」というツッコミを入れたところで熱海城の観光は終了。館内の内容については、以下の公式サイトを参照してほしい。熱海秘宝館に続いて手抜きだが、仕方がない。

熱海城を出て、熱海秘宝館の外観を眺めてからロープウェイ乗り場方面へ。この2つのスポットには、いつかまた来てみたい。

ロープウェイ乗り場へ歩く途中、こういう建物があった。「古代ユダヤの秘占」「秘法カバラ数呪術」というのが何とも怪しげな感じだが、おそらくは占いの館みたいなところなんだろう。

中には入らなかったが、旅行後に上記2つのワードで検索してみたところ、あの「ムー」から出版されている書籍がヒットした。購入は自己責任でどうぞ。

ロープウェイで麓へ移動。

海岸沿いに並んでいるホテルを眺めながら熱海駅へ戻った。このあたりのホテルにしばらく滞在するような、典型的な日本の温泉旅行を実行する機会はあるだろうか。一度くらいはやってみたい気もするが。


最後の滞在地になる東京へ移動し、新宿駅の近くにあるカプセルホテルに宿泊。カプセルホテルを選んだのはもちろん旅費を節約するためで、1泊2,000円(2009年当時の料金)。

東京タワー

旅行最終日は、飛行機の時間まで滞在できるので、以前から興味があった東京タワー蝋人形館へ行ってみることにしていた。曇り空なのが残念だが、増上寺と東京タワーという定番ショット。

こんな写真を撮っている時点で田舎者ですねえ。

では、目的地の蝋人形館へ。

(注)東京タワー蝋人形館は2013年に閉館している。以下の記述は2009年当時の記録として読んでほしい。

ここからは写真で紹介したいところだが、ここは「写真撮影禁止」ではなく「ホームページ禁止」という珍しい規約になっていた。つまり「写真は撮ってもいいがウェブサイトに載せるのは禁止」ということ。

これは2009年の旅行なので「ホームページ禁止」という表示だったが、今なら「SNS禁止」といったところだと思う。というわけで、ここで撮った写真を載せることはできない。このページで紹介している施設は全部こんな感じになってしまったが、規約なので仕方がない。

内容は、映画俳優や政治家などの定番の人形に加えて、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の再現風景や「モナリザ」制作風景など。しかし「最後の晩餐」って、なんであんなにテーブルの片側だけに並んで座っているんだろう。「両側に座れよ」と言いたくなるが、立体で見ると不自然さがさらに際立っていて面白かった。

あと、ここの名物なのが拷問コーナー。車輪に結び付けられて血まみれになりながら回っている人など、なかなか強烈な風景だった。かなり楽しめる内容だったので、写真で見たい人は以下のサイトを参照してほしい。

蠟人形館を出て、タワー内を歩いているとこういうジオラマが置かれていた。

これは、おそらく映画「ALWAYS 三丁目の夕日」に関連して作成された昭和30年代の街並み。

私は昭和40年代の生まれだし東京出身でもないので、さすがにこういう風景を見た記憶はない。しかし、ちょっと懐かしいような気はする。

実を言うと、この映画は見ていない。なので映画の感想は言えないが、この映画に関する指摘として面白かったのがこちら。

(C) ALWAYS 三丁目の夕日(日本テレビ他)

ダイハツ・ミゼットの発売開始が昭和32年なので、当時はピカピカの新車。それに車は高級品だったのだから、常にきれいに磨いていたはず。思い出補正がすごすぎという指摘には笑えたが、確かに何もこんな古そうな感じにすることはない。

なお、間違って 四丁目の夕日 で検索すると大変なことになるので注意。私は山野一の代表作「四丁目の夕日」も好きなんだが、一般的にはすすめない。これ以上ないくらい不幸が続き、悪いほうへ悪いほうへ展開するという救いのない話。


しばらく東京タワー周辺を散策してから羽田空港へ移動し、17時の飛行機で福岡へ戻った。伊豆半島のB級スポットをテーマとした旅行は、これで終了。

(2009.5.5~6)


<追記> このときに訪問した熱海秘宝館だが、TVアニメ「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」に登場していたので紹介しておく。

タイトルから想像できる通り「よくこの内容がTVで放送できたな」と思うほどの下ネタの嵐。本当に馬鹿馬鹿しくて最高に笑えるアニメなので、秘宝館マニアにはおすすめ。

熱海秘宝館がモデルになった建物は最終話に登場している。地名が「ぬくみ」になっていたり、近未来の話なのでロープウェイが廃墟化していたりするが、見ればすぐに熱海秘宝館だとわかるはず。

しかしネタバレになるから詳しくは書かないが、第5話に登場するクッキーはさすがに放送コードぎりぎりというよりアウトでは?

見たい人はこちらでどうぞ。私も U-NEXT で視聴しました。


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