国内旅行編(北海道 / 支笏湖、積丹半島ダイビング)

本来、2015年7月の4日間は沖縄県の久米島へダイビング旅行に行く予定で、休暇も取得しておいた。ところが、ちょうど台風が2つ続けて沖縄に接近し、どうにもダイビングは無理という状況になってしまった。

というわけでツアーは中止になったが、休暇をキャンセルして平日が仕事になるのが癪なので、代わりに個人旅行でダイビングに行くことにした。といっても太平洋側は台風のうねりが入ってくるので、あまりコンディションがよくない。日本海側の富山あたりへ行くことも考えたが、後述の通り安い航空券が見つかったこともあり、いっそ北海道へ行ってみようということになった。

北海道でダイビングができるのかと思う人もいるかもしれないが、支笏湖の淡水ダイビングはダイバーの間では有名。さらに積丹半島にもダイビングスポットがあるので、今回はこの2ヶ所で潜ることにした。


福岡~札幌の航空料金はスカイマークを利用して往復34,800円。旅行の1週間ほど前に予約したというのに、驚くほど安かった。ちなみに ANA と JAL は往復で10万円ちょっとなので、3分の1になる。正直言って、安すぎて不安になるほど。

北海道内での移動は、すべてレンタカーにした。料金は4日間で約2万円。自分のダイビング器材は事前に久米島へ送っていて、まだ戻ってきていないので今回はダイブコンピュータ以外はレンタル器材を使うことになる。

あらかじめ断っておくが、このページは写真がメインで文章は少なめ。

支笏湖ダイビング

千歳市内で1泊し、翌日の朝から支笏湖へ向かう。支笏湖は日本で数少ない淡水ダイビングができる場所として有名で、今回ぜひとも潜ってみたいスポットだった。

利用したのは「オーシャンデイズ」というダイビングショップ。湖畔にある民宿を兼ねたショップで手続きし、車で5分ほど走ってエントリーポイントへ。九州はウェットスーツのシーズン真っ最中だが、さすがに北海道は水温が低いのでドライスーツになる。7月にドライスーツというのも不思議な気分。

最初に潜るのは「太古の森」というポイント。この日の参加者は私1人で、ガイドとマンツーマンで潜ることになった。

透明度も高いし、水中の景色はかなりきれい。それに海と違って波がほとんどないからなのか、水の中が非常に静か。まさに静寂の世界という感じがする。

太古の森というポイント名の通り、先へ進んでいくと水没した流木が現れる。

海と違って魚はそれほど多くはないが、独特の神秘的な世界を楽しむことができた。海の中が「動」とすれば、こちらは「静」という世界だと思う。

では、参考までにダイビングログを。

  • 天候:晴れ
  • 気温:27℃
  • 水温:14℃
  • 潜水時間:40分
  • 最大深度:12.8m
  • 平均深度:5.8m
  • 透明度:20m

2本目のダイビングは「千歳川源流」というポイント。支笏湖から流出する千歳川に潜るというもので、ちょうど湖と川の境目がエントリーポイントになる。

橋の上から川を眺めている観光客(やはりというか、中国人の団体客が多い)の視線を集めながらエントリー。ギャラリーに「こっちは水の中に潜れるんだよ」と少し自慢したい気分。

川なので、頑張って潜っても3メートル程度。日が差し込むので、まるで草原の上を泳いでいるような気分になった。

川がゆっくりと流れているのでそれに乗って漂っていけばよく、ほとんど体を動かさなくていい。きれいな景色を眺めながら流れていくのは、今まで味わったことのない気分。

これは楽しい!

しかし川のドリフトダイビングがこんなに楽しいとは思わなかった。いつかぜひとも行ってみたいと考えているオーストリアの グリーンレイク の小規模版というところだと思う。

さらに、ここには錦鯉(亜種)がいた。

大きさはおそらく40~50センチ程度。まさかダイビングで錦鯉を見ることになるとは思わず、これは感動ものだった。さらに、後で聞いたところによると白い鯉は財運の神様と言われているそうで、運よく見ることができて金運もアップしたと思う。

名残惜しかったが、これでダイビングは終了。ガイドさんと「川のダイビングがこんなに面白いとは思いませんでした」などと話しながらショップに戻った。

  • 天候:晴れ
  • 気温:27℃
  • 水温:16℃
  • 潜水時間:35分
  • 最大深度:4.0m
  • 平均深度:2.1m
  • 透明度:15m

ログ付けの後「いつかまた来ます」と伝えて支笏湖を後にした。国内では初めての淡水ダイビングだったが、かなり楽しかった。特に千歳川のドリフトダイビングは予想外の楽しさで、いつかまたやってみたい。支笏湖には太古の森の他にもダイビングポイントがあるそうなので、近いうちに再訪することになりそうな気がする。


この日は札幌市内に泊まりたかったのだが(別に夜のすすきのが目当てではない)、なぜかこの日はホテルがまったく空いていなかった。どのインターネット予約サイトでも札幌、小樽、千歳など周辺にまったく空きがないことを見たときは焦ったが(すでに航空券を手配した後だったので)、何とか積丹半島に近い岩内のホテルを見つけることができた。ほっと一安心。

積丹半島ダイビング

旅行3日目は積丹半島でのダイビング。繁忙期ということでボートがいっぱいらしく、ダイビングができるかどうか旅行出発時点まで未定だったが、前日になって無事に潜ることができるという連絡が来た。

岩内から海沿いを走り、積丹半島をぐるりと回って半島の北側にある積丹町の幌武意(ほろむい)へ。ここの「アクアキャット」というダイビングショップを利用した。それにしても、神恵内村を過ぎたあたりから幌武意漁港に到着するまでまったく人家の気配を感じることがなく、さすが北海道という感じがした。

当然ながら、九州からここまで潜りに来る人はほとんどいないようで、佐世保から来たというと他の人たちは驚いていた。支笏湖と同様、7月だというのにドライスーツを使用したが、他のダイバーにはウェットスーツで潜る猛者もいた。

最初に潜ったのは「長谷川の島」というポイントで、まず感動した景色がこちら。

九州で潜っていると岩場にいるのが ガンガゼ ばかりなので「ガンガゼじゃなくて本物のウニだ!」ということに激しく感動した。さすが北海道。

続いて、ゆったりとダイビング。ガイドの方が「南のほうの海と違って、こちらにはカラフルな魚はいないからね」と話していたが、確かにその通り。ただ、私としては普段とは違う魚が見られるので、色が地味でもかなり楽しめた。主な風景を下に載せておく。

特に気に入ったのはリュウグウハゼだが、うまく写真が撮れなかった。これは次回の課題として残しておくことにする。

  • 天候:晴れ
  • 気温:27℃
  • 水温:17℃
  • 潜水時間:44分
  • 最大深度:20.1m
  • 平均深度:13.7m
  • 透明度 : 8m

2本目は「バリホール」というポイント。船でそこへ向かう途中に女郎子(じょろっこ)岩という巨岩があり、船で近づいて写真を撮らせてくれた。

陸上の遊歩道から見た人は多いと思うが、この岩を海側から見た人は少ないはず。ちょっと自慢したい気分。

このバリホールというポイントの特徴は、何と言っても昆布の林。先ほどはウニに感動したが、こちらでは実に立派な昆布に感動した。ワカメはよく見るが、こんな大きな昆布は九州では見ない。

では、ゆったりとダイビング。先ほどのスポットと違ってこちらは地形が面白く、岩の間を通り抜けたりしていると楽しかった。

昆布の林をバックに泳ぎまわる魚群。かなりきれいな風景。

特に気に入っている写真は、大きなサイズで載せておく。

2本目のダイビングを終え、これで積丹半島ダイビングは終了。やはり普段潜っている海とは生物も風景も違うし、かなり楽しめた。

  • 天候:晴れ
  • 気温:27℃
  • 水温:17℃
  • 潜水時間:53分
  • 最大深度:15.9m
  • 平均深度:9.5m
  • 透明度:8m

ショップに戻り、ログ付けの後しばらく休憩。九州と北海道の海の違いなどについていろいろと話していると「次回はぜひ真冬に来てほしい」と勧められた。冬にはトドが現れるそうで、トドと一緒にダイビングしている写真なども見せてもらった。かなり興味はあるものの、やはり真冬の北海道の海はとんでもなく冷たそう。ただ、知床の流氷ダイビングもやってみたいので、いつかまた来ることになると思う。ショップの人たちと他のダイバーたちに「また来ます」と伝えてから幌武意を後にした。


この日は新千歳空港に近い遠浅駅前の「ノースゲートイン・アビラ」というところに宿泊予定で、そこまで移動しないといけない。しかしながら余市付近から小樽までが大渋滞で、相当に時間がかかってしまった。小樽からは高速道路があるのでスムーズに移動できたが(途中でちょっと札幌に寄ってみた)、これなら余市~小樽は早く高速道路を作ってもよさそうな気がする。渋滞のおかげで小樽市内の運河などを車の中からゆっくり眺められたのはよかったが。

小樽は今回初めて見たが、通過しただけで終わったので、いつかちゃんと観光したい。

社台スタリオンステーション

旅行最終日は、夕方の飛行機で九州へ帰ることになる。新千歳空港近くに宿泊しておいたので、社台スタリオンステーションへ行ってみた。

どの馬が見られるのか調べていなかったが、この日は何とあの超有名馬を見ることができた。

土産物店で社台グッズを見たり、アイスクリームを食べたりしながら時間をつぶしているうちに展示時間が来た。

こちらが、あの有名な3冠馬のディープインパクト。当時は競馬をやらない人の間でも有名だったので、誰でも知っていると思う。種牡馬になると体重が大きく増える馬が多いと思っていたが、今でもほっそりとしているのが印象的だった。

現役当時は WINS 佐世保の大画面(今はゲルックホールは閉鎖されたが)で見ていたが、1頭だけロケットエンジンを積んでいるかのような爆発力に毎回驚かされたもの。初めて実際に見ることができ、来た甲斐があった。


午後3時45分発の飛行機で新千歳空港を出発。急遽実行した北海道旅行だったが、かなり楽しかった。次回は真冬に来て、支笏湖でアイスダイビング、積丹半島でトドとダイビング、知床で流氷ダイビングをやってみたい。

(2015.7.9~12)


2年後の2017年10月、再び支笏湖でダイビングを行ってきた。そのときの旅行記はこちら。

さらに、2年半後の2018年2月、真冬の積丹半島でのダイビングを実行した。そのときの旅行記はこちら。