福岡空港へ移動する際に使用している佐世保~福岡の高速バス回数券が1枚だけ残っていて、12月中旬で期限切れになるため特に用事はないものの福岡へ行くことにしました。
せっかくなので何か面白そうなスポットがないか探したところ、福岡市西区の郊外に「久町様」という道祖神を発見。
道祖神といえば、やはり陰陽の象徴。近場にある陰陽スポットはあらかた探しつくしたように思っていましたが、ひっそりと存在している道祖神はまだまだあるものなんですね。
というわけで、天気のいい12月7日の日曜日に訪問してきた風景を紹介します。
博多駅から九州大学伊都キャンパス行きのバスで出発。普通の路線バスなんですが、途中で福岡都市高速を通ることで一部のバスマニアには有名な路線かもしれません。立っている乗客がいる路線バスが都市高速を普通に走っている光景は、他の町ではなかなか見られないでしょう。
博多駅から約1時間、九大伊都キャンパスの少し前にある産学連携交流センターというバス停で下車。この路線では、ここが道祖神の最寄り駅になります。
バス停の近くにTSUTAYAがあったので、立ち寄ったところイベントが行われていてキッチンカーが集まっていました。小さなステージも作られていて地元の子供たちがハワイアンダンスを披露していたり、ほのぼのとした雰囲気。

キッチンカーは参入障壁が低いので始めてみる人が多そうですが、どのくらいが生き残るんでしょうね。レッドオーシャンだから大変そう。
という話はここまでにして、TSUTAYAの中にあるスターバックスで休憩してから道祖神へ向かうことにします。1キロほど歩くと目的地が見えてきました。

事前に写真では見ていたものの、田んぼの中にポツンと存在している風景はかなり独特です。

この細い通路(コンクリート製でも「あぜ道」と呼ぶんでしょうか)の先にあるのが久町様道祖神。

しかし田んぼのど真ん中に鳥居があるというのも、なかなか珍しいと思います。刈入れが終わって広々としているため余計そう思うのかもしれませんが、あまり見たことがない風景。

田植え直後や稲が大きく伸びている時期などは、また違った風景になるのかもしれません。
通路を歩いていくと、恋愛成就の鐘というものがありました。あまり響かないように控えめに鳴らしておきます。

通路の先端にあるのが赤い鳥居。

鳥居の足元に、目当ての道祖神があります。

こちらが久町様道祖神。陰陽の陽の形なんですが、そこまでリアルな姿はしておらずデフォルメされた感じ。

こじんまりとした道祖神に近寄ってみます。

先端のアップ。

別のアングルからも見てみました。

広々とした田園風景をバックにした道祖神。

ここでは「いつまでも元気でいられますように」とお願いしてきました。

なお、今は存在していませんがかつては案内板があったそうです。ネット上に残されている案内板の内容は以下の通り。
久町様の子宝伝説
ここより東へ約25mの田んぼの畔にいらっしゃいます久町様は、瓜の形をした石にお宿りなされた道祖神です。可也山を西にのぞむ瑞梅寺川の河口付近、久町という地名の田んぼに、ひっそりと鎮座されておられます。
その御神体は、子どもに恵まれぬ女性に子宝を授ける、霊験あらたかな神様と、昔から近郷の村人に伝えられています。
今でも真夜中、不妊に悩む女性が訪れ、ご神体にしゃがみ、願をかけておられます。そして子宝を授かった女性がたくさんいらっしゃいます。
久町様は、子を望む女性が近くを通るだけでも子宝に恵まれると伝えられています。
瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ
何処より 来たりしものぞ 眼交に もとな懸かりて 安寢し寝さぬ
銀も 金も玉も何にせむ まされる宝 子にしかめやも万葉集より 山上憶良
久町様保存会
近くを通るだけで効果があるとは、相当に強烈なパワー。あと、真夜中に道祖神の上にしゃがみこんでいる姿を想像すると、なんだか鬼気迫るものを感じます。
こういう陰陽スポットを訪ね歩く人たちの間でも、この久町様道祖神はあまり知られていないかもしれません。九州大学の伊都キャンパスへ行く機会があるときなどは、立ち寄ってみて下さい。
このまま帰ってもいいんですが、近くに「太郎丸神社」という大きな看板があったので行ってみることに。

この神社の名物は、こちらの「落ちない鈴」。

2016年に火事で全焼した際、鈴だけが落ちずに残っていたことから今では合格祈願のお守りになっているそうです。なので、台座のデザインは本と鉛筆と定規。
もっとも、これはそのときの鈴本体ではなく鈴のモニュメント。まあ、見ればわかりますが。

火事の後、住民の寄付金で再建された拝殿では祈願が行われていました。中を覗き込んではいませんが、靴から判断するとおそらくは受験生が集まっていたんでしょう。
拝殿入口の上に掛けられているピカピカの鈴が、本物の落ちない鈴。

こちらは願い事を書く願い石。ひとつ100円。

境内を少し歩いた後、バス停へ。周囲は広々としてのどかな雰囲気。

最後に久町様道祖神をもう一度眺めてみました。本当に、不思議な眺めです。

帰りは元岡農協前というバス停からバスに乗り、筑肥線の周船寺駅へ。

ここから列車で博多駅へ戻りました。道祖神めぐりの小旅行は、これで終了。
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