【お花大権現を21年ぶりに再訪】

年末年始の青春18きっぷ旅3日目。この日は2024年1月1日で、徳島県三好郡東みよし町にある「お花大権現」を21年ぶりに再訪して初詣を行うことにしています。前回の訪問は2002年8月で、旅行記は当サイト本館に載せています。

古い旅行記は写真が少ないですねえ。当時はフィルムカメラを使っていて今みたいに気軽に撮りまくれなかったのと、スキャナーで読み込んでトリミングするという手間がかかっていたのが理由です。

前回は8月の盆の時期で、今回は正月。偶然にも、参拝に適した時期の訪問になりました。


朝7時20分、徳島線の阿波池田行き普通列車で徳島駅を出発。

この路線は吉野川に沿って走るので、車窓風景はきれい。ただ、徳島線の普通列車は阿波川島や穴吹までの列車が多く、そこから先は過疎路線。特に午前中は本数が極端に少なく、おかげで移動計画は大きく制約を受けることになります。

まあ、こういう路線を乗り継いでいくのも楽しいんですが、実際に乗ってみると徳島線は列車行き違いのための停車時間がやたらと長いことを実感します。

徳島からちょうど2時間ほどで、目的地の江口駅に到着。ローカルな無人駅です。

江口駅を発着する列車は、上下線とも9時台の次は13時台までありません。お花大権現だけでは時間が余るので、隣の三加茂駅まで歩きながら風景や寺院を見ることにしています。

では21年前と同様、歩いてお花大権現へ。土手の上の道に上がってみると、吉野川の眺めがきれいでした。

前回来たときは8月だったので陽炎がゆらめくような炎天下の道を歩いたんですが、今回は冬なので当時よりは楽。

20分ほどで目的地に到着しました。途中の食堂や土産物店はどれも廃墟化していて、寂れた雰囲気。前回来たとき、この辺りの店が開いていたかどうか、まったく記憶に残っていません。

では、林下寺の中へ。大権現といえば神社のはずなのに、なぜか林下寺という寺院の中にあります。大正2年に、鉄道敷設のためこちらの境内へ移転してきたそうです。

では、山門をくぐって境内へ。

こちらが林下寺ですが、見た目は普通の民家。21年前もここに参拝したんでしょうけど、まったく記憶に残っていません。

近づくと、犬に容赦なく吠えられました。その後、犬が少し落ち着いたときに撮った写真。

では、お花大権現へ向かう前に本堂に参拝。元日なので、2024年の初詣になります。障子の向こうの部屋にはちゃんと本尊が安置されているんですが、なんだか普通の家を拝んでいるような気分。

縁側にこういうものが置かれていました。

この丸いものはホコリ茸だそうです。Wikipedia の記述を参照すると、ここまで大きくなるのはかなり珍しい模様。

その横にあるのは芭蕉の花。しかし近くで見るとスーパーマリオシリーズに登場するパックンフラワーみたいで、ちょっと怖い。

林下寺の参拝を終え、続いてお花大権現へ。かなり立派な建物になっていましたが、前回の訪問のときに撮った写真と比較すると、建て替えられて新しくなっているようです。

入口横の男根を見てから、中に入ります。

では、お花大権現に参拝。前回の訪問時と同様、奉納品でいっぱいでした。これだけたくさん並んでいると、かなりの迫力。

あの大根も奉納品だそうです。なかなか面白い形。

前回の訪問記にも記載しましたが、お花大権現の由来は以下の通り。

約300年前、お花さんという女性が側室として殿様に仕えていたが、殿様の寵愛を一身に受けていたため他の女中の妬みを買って殺されてしまう。それを知った殿様が哀れに思い、城内に祠堂を建てたのがはじまり。

現在では「性の守護神」として子授け、夫婦和合、性病などに御利益があるとされています。私の場合は「いつまでも元気でいられますように」と願ってきました。前回来たときは30代でしたが、今はもう50代なので。

参拝後、続いてこちらの奉納物殿へ。

拝観料は300円。こちらの建物は前回と変わっていないようです。

いやー、懐かしい。建物内は21年前とほとんど変わっていません。

祭壇には奉納品がいっぱい。

セクシーな弁天像にも21年ぶりに再会。

さすがに21年前の写真と比較すると奉納品の数はかなり増えていて、所狭しと並んでいました。

奥にあるのは、先端についている紐を引張ると鹿おどしのように首を振る男根。

弁天像の足元にあるたくさんの男根たち。

弁天像のアップ。胸が見えそうで見えないところがなかなかいい。

こちらの掛け軸は、前回はお花大権現の中に掛けられていたように記憶していますが、今は奉納物殿に移されていました。部屋に掛けておきたい一品。

建物内には、大きな奉納品もたくさん並んでいます。

神輿の前にも男根が。

こちらの奉納品は、中を潜り抜けると無病息災だそうです。

ただ、小柄な人ならともかく、自分には無理そうだったので断念。

前回の訪問時にドキッとした奉納品とも再会。たくさんの男根の中で、女性版は異彩を放っています。

奉納品殿の中を一通り見てから、外に出ました。

奉納品殿の前には、石造りの男根が並んでいます。

他にもこういう男根がいっぱい。

男根に溢れた風景って、本当に面白いですねえ。

最後に、住職の方たちと吼えられた犬に挨拶してから林下寺を後にしました。

21年ぶりの再訪でしたが、奉納品もかなり増えていてパワーアップしていました。自分もパワーをもらえたような気がするので、特にアラフィフ以上の人は参拝してみて下さい。きっとご利益があるはず。

ちなみに私の出身地の福岡県には正月に3ヶ所の神社で参拝する「三社参り」という風習があり、今年はお花大権現が1ヶ所目になりました。翌日に参拝する宇和島の多賀神宮が2ヶ所目になります。


前述の通り徳島線の普通列車は午後1時過ぎまでないので、隣の三加茂駅までウォーキング。お花大権現から三加茂駅へは線路に沿って歩けば近いんですが、せっかくなので吉野川の土手の上を歩いてみます。

途中に「おはなはん」というラブホテルがあって、お花大権現をちゃっかりと利用しているところが面白い。

天気がいいので、土手の上を歩いていると気分がいい。

吉野川に架かる橋(角の浦大橋)があったので、土手の上を離れてそちらのほうへ歩いてみました。その分岐点にあったのが、こちらの広場。あれは陸上競技のトラックなんでしょうか。

角の浦大橋の真ん中まで歩き、吉野川を眺めながらしばらく休憩。きれいな風景です。

橋は渡らずに引き返し、三加茂駅方面へ。駅の近くに長善寺という寺院がありました。ここまで、歩いた距離は3キロほど。寺院なのに鳥居があるのは、おそらく境内に稲荷神社があるからでしょう。

せっかくなので、長善寺にも立ち寄ってみます。夏には、この石段はきれいな緑のトンネルになるんでしょう(多分)。

元日なので、地元の人たちや帰省中らしい人たちが初詣で集まっていました。焚火で暖まりながら、少し休憩。

本堂の横に鳥居のトンネルがあったので、そちらへ歩いてみます。

石段を登りきると、見えてきたのがこちらのお堂。

入ってみると、石室の中に不動明王が祀られていました。私は酉年生まれなので、守護神は不動明王。なので、ここでは丁寧に参拝。

ときどき水の滴る音がいい雰囲気でした。

不動明王のお堂はちょっとした高台にあるので、景色はきれいです。遠くに見えるアーチ橋が、先ほど吉野川を眺めた角の浦大橋。

しばらく景色を眺めた後、本堂まで下りてから焚火で少し温まり、これで長善寺を後にします。

三加茂駅へ向かう途中「金丸農村公園」という案内があったので、そちらへ。ちょっとした広場といくつかの祠があるだけの公園でした。その中で、少し面白かったのがこちら。

「一九3」だそうです。横には「Ikkyu-san」という英語表記もありました。もちろん頭を撫でて知恵を授かってみます。

その横には七福神の一人、大黒天の石像。モデルは「つのだ☆ひろ」か?

トイレもあったんですが、ここまであからさまに丸見えのトイレはなかなかありません。男性でもちょっと勇気が必要。

金丸農村公園への寄り道を経て、ようやく三加茂駅へ。ホームが1面だけの典型的な無人駅。

特急列車が通過していった後、阿波池田行きの普通列車がやってきました。青春18きっぷの旅を再開。

佃駅で多度津行きの列車に乗換え。

佃~多度津間には、秘境駅としてわりと有名な「坪尻駅」があります。この区間は出張の際に特急列車で通過したことはありますが、普通列車で通るのは初めて。

駅へ通じる車道がないため、徒歩でしか訪れることがでいない駅だそうです。それに加えて、この駅を有名にしているのがスイッチバック。本線から分岐した引き込み線に駅があります。

列車の進行方向を見ると行き止まり。横のトンネルに通じているほうが本線になります。運転士が反対側の運転台に移動し、進行方向を変えて出発。

列車内には鉄道ファンらしい人が数人乗っていて、動画を撮影していました。

引き込み線~本線~引き込み線と移動し、ここで再び進行方向を変えて出発。

特急列車は本線を高速で通過していくため、スイッチバックを見ることができるのは普通列車に乗ったときのみ。貴重な体験でした。

多度津駅で観音寺行きの列車に乗換え。

観音寺駅で伊予西条行きの列車に乗換え。

伊予西条駅で伊予市行きの列車に乗換え。

すっかり暗くなった午後7時過ぎ、松山駅に到着。この日の宿泊先は道後温泉の近くなので、市電で道後温泉まで移動。駅の夜景がきれいです。

予約しているホテルへ向かう途中、ファミリーマートの駐車場から眺めた道後ヘルスビルが強烈。2010年に松山市内の石手寺を訪問した際にも驚いた眺めなんですが、2024年になっても健在でした。

しかしここは普通に家族連れや子供が歩いているようなエリア。大丈夫なんでしょうかね。

翌日は宇和島の多賀神宮を23年ぶりに再訪し、八幡浜からフェリーで別府へ移動します。

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