【巨大涅槃像がある南蔵院を紹介します】

福岡県糟屋郡篠栗町に「南蔵院」という寺院があります。JR篠栗線の城戸南蔵院前駅から歩いてすぐのところなので、アクセスも良好で訪問しやすいスポットです。

この南蔵院は巨大な涅槃像があることで有名ですが、その他に「宝くじ」「金運スポット」「開運スポット」としても知られています。その理由は、ここの住職が1億3千万円の宝くじを当てるなど複数回の高額当選を引き当てているため。

私は宝くじはまったく買わない人間ですが(控除率を考えると期待値が低すぎて馬鹿馬鹿しい)、FXなどの投資は行っているため、福岡へ行く機会があった時に金運祈願のため訪問してみました。


博多駅から篠栗線の列車で城戸南蔵院前駅へ移動。ここは駅舎も寺院仕様になっていました。

駅から歩いて南蔵院へ。途中の多々良川に架かる橋が「メロディブリッジ」という名前になっていて、欄干に取り付けられている鉄琴を叩きながら歩くと童謡になるというもの。

「めだかの学校」を演奏しながら橋を渡り、南蔵院の参道に到着。

この寺院は境内がかなり広く、ちょっとしたトレッキングと言っていいほど。こちらの納骨堂にパンフレットが置いてあり、記載されている地図で建物等の配置を確認できます。これは境内を歩くときの必需品。

こういう場所へ来ると歩ける範囲はすべて歩かないと気が済まないので、参道から横にそれる道にも入ってみます。「もんじゅはし」の先にもお堂がありました。

参道に戻って先へ進み、やがて本堂へ続く階段に到着。

訪問したのが11月で、ちょうど九州場所の開催時期だったため相撲のぼり旗が立っていました。書かれていたのは宮城野部屋の炎鵬関。

「四国総本寺」の横の石に刻まれている言葉は「秋遍路 立ち上がりつつ ひとりごと」。

では、階段を上がって山門をくぐり、本堂へ。1階が社務所、2階が本堂になっていました。

本堂は、公式サイトによれば「高野山別格本山南蔵院御本尊阿弥陀如来と篠栗88ヵ所霊場1番札所御本尊釈迦如来をお祀りしています」だそうです。かなり立派な本堂でしたが、もちろん中の写真は撮っていません。見たい人は直接現地へ。

代わりに2階から眺めた景色を載せておきます。

ここにも宮城野部屋の相撲のぼり旗が。紅葉とのコントラストがきれい。宮城野親方といえば、もちろん元横綱の白鵬。

紅葉を眺めながら境内を散策。あの建物は荒神堂だそうです。その前にある大きなヒノキは御神木で、幹に風神が彫られています。

御神木を見上げてみました。

さらに境内を散策。この橋を渡ったところに短い洞窟がありました。

通り抜け型の洞窟に入ってみます。

洞窟の壁には絵馬が掛けられていました。

洞窟の出口。こんな風に、ちょっとしたアトラクションみたいな地形が作られているので歩いていると楽しめます。

こちらは不動明王像。なかなか威圧的な姿。

不動明王のまわりには、たくさんの羅漢さんたちの石像がありました。

羅漢さんといえば、ユニークな姿を見るのも楽しみの一つ。というわけで、あの「眉毛が異常に長い人」ももちろん探してみました。

ここは、他にも面白い恰好をした羅漢さんたちがいっぱい。それぞれの姿を見ているだけで楽しめます。

山の斜面にも地蔵さんたちが並んでいます。ここから山道を上がっていくと「45番札所」と小さな滝があるんですが、この先は撮影禁止。

山道を戻り、さらに散策。こちらは石造りの亀がいる池。

招き猫の石像もありました。

これで境内の半分を歩いたので、続いて涅槃像があるエリアへ向かうわけですが、その間の通路は「七福神隧道」というトンネルになっています。

いやー、なんだか異世界へ続くようなゾクゾクする雰囲気がいいですねえ。実はここはガリバートンネルで、外に出るとみんな小さくなっているなんて妄想してみたり。

隧道の中央にあった七福神像に参拝し、無事に外に出ました。

では、涅槃像へ。その途中にいた、面白い姿の小僧さん。「モデルは武蔵丸?」なんてことを思ってみたり。

階段を上がると視界が開け、ブロンズ製では世界最大級という涅槃像と対面。なかなかの迫力。

公式サイトによれば、長さ41メートル、高さ11メートル、重さは約300トン。ちょっと離れないと全体像を写せないほどの大きさ。

ここの住職が宝くじで複数回の高額当選を引き当てていることから、この涅槃像は宝くじの当選金で建立したと思っている人も多そうですが、涅槃像のほうが先だそうです。

この涅槃像の御利益により、宝くじが当たったということなんでしょう。

遠近感のある風景を撮ってみました。

足元からの眺め。

涅槃像の足の裏には何も描かれていないことが多いそうですが(煩悩がなくなったことを示すため)、こちらの涅槃像にはいろんな文様が施されていました。触ると健康や開運など願いが叶うとされているそうです。

涅槃像の背後にある建物には入ることができます。祈願料の500円を納め、通路を歩いていくと仏舎利が祀られている部屋や四国八十八ヶ所の砂が埋められている空間がありました。

途中、分岐した通路の先は涅槃仏の胎内になっていましたが、写真撮影は禁止。この出口の扉の先にある風景を知りたい人は直接参拝してください。

建物の中で羽根をいくつか渡されるんですが、これはこちらの運試しの場で使います。羽根を投げて箱の中に入れるというもの。

真ん中が「大大吉」、他の4個が「大吉」なんですが、投げる場所が遠すぎる上に羽根が空気抵抗を受けて不規則に動くため、軌道を予測するのはほぼ無理。もちろんひとつも入らず、これを狙って命中させられる人を見てみたい。

涅槃像の前の広場に戻ると、団体客が何組もやってきていました。驚いたのは、そのほとんどが海外(おそらく東南アジア、台湾、中国など)からの参拝客ということ。

アジアの仏教徒の間では、巡礼先みたいな感じで実は知名度が高いんでしょうかね。なんだか意外。

涅槃像の周囲をしばらく散策した後、別れの挨拶をしてから広場を離れました。

広場の下の階は、仲見世通りという土産物店街になっています。

売られているのは線香、数珠、蝋燭、財布、菓子類など。

ここで、砂糖菓子で作った「幕の内弁当」と「赤飯弁当」という面白い土産物を見つけたので購入。後日、周囲に見せたところ「こういうのは初めて見た!」といって好評でした。

仲見世通りを出て、参道のほうへ戻ります。その途中にあった「防人の碑」。

2011年の震災がきっかけで、国を守る人たちのために建立されたそうです。

こういうミニ鳥居もあります。私はメタボ体型ではないのでくぐれなくはないでしょうけど、自制しておきました。

本堂のほうまで戻ってきました。こうして見ると、樹木に覆われた本堂エリアと開放的な空間が広がっている涅槃像エリアは別世界という気がします。

その隣接する2つのエリアを繋ぐのが異世界トンネルという雰囲気の七福神隧道なのが、なかなか効果的な演出と言えます。

参拝したのが11月ということもあって、紅葉がきれいです。

参道を歩き、寺院の入口まで戻ってくると土産物店がありました。ちょっと面白いと思ったTシャツがこちら。

この後、歩いて城戸南蔵院前駅へ戻りました。

こういう正統派の寺院を珍寺と言ってしまうのは気が引けるものの、巨大な涅槃像は一見の価値は十分にあります。それに、境内がちょっとしたトレッキングといっていいほど起伏があって広いので、あちこち歩きまわるのも楽しいもの。

このページを見て興味を持った人は、博多駅から20分ほどで行けるので、ぜひ参拝してみて下さい。

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