島根県松江市でのワーケーションの際、いくつかの観光地を回ってきました。前回の出雲大社に続いて、このページではレンタカーを使って1日かけて訪問してきた松江市周辺のスポットを紹介します。
タイトルからわかる通り陰陽スポット&珍寺がメインになっているので、そのつもりで読んで下さい。
八重垣神社
松江市内にあり、出雲大社と同様に縁結びの神社として有名。パワースポットみたいな紹介をされることもあり、島根を旅行する人の多くが参拝する神社だと思います。
こちらが神社の正面。

こちらが神社の拝殿。出雲大社とは違って、ここでは一般的な二礼二拍手一礼で参拝。

境内の風景。

さて、今回この神社を訪問したのは「パワースポットだから」というキラキラ系の理由ではありません。別の理由があります。
というわけで、本当の目的地は夫婦椿の隣にあるこちら。

この社は境内社の「山神神社」になります。社の前にあるのは、古式の鳥居。

どうしても見たかった物件は、神社の横にあるこちら。モチーフはもちろん男根です。

いやー、立派ですねえ。大きさは成人男性の身長くらいあります。先端に触り、「いつまでも元気でいられますように」と願ってきました。

裏側もリアル。

社の下からも男根が飛び出しています。

これらは奉納品でしょうか。小型サイズの各種男根。

きっと、奉納した人のいろんな願いが込められているんでしょうね。

この山神神社ですが、もともとは別の山中にあったものを明治時代に八重垣神社の境内に移したそうです。農耕や子宝の神様だったそうなので、それで男根が奉納されているのでしょう。再び「いつまでも元気でいられますように」と山神神社に参拝。
さて、八重垣神社には山神神社の他にも陰陽スポットがあります。縁結びのパワースポットとして知られている鏡の池に向かう途中、階段の横にある樹木の根本に近づいてみます。

この木の洞の中を覗くと、見えるのがこちら。

この通り、男根が安置されていました。先ほどの山神神社と比べて、小さくて可愛らしい感じ。

男根が陽だとして、では陰はどれなのかというと木の洞の形。たしかに、全体がそういう形に見えます。

案内書きもないためうっかり通り過ぎてしまいそうになりますが、ここは見逃さないように。
この後、せっかくなので八重垣神社で一番有名な「鏡の池」へ行ってみることにします。鏡の池がある奥の院へ向かう途中にあるのが夫婦椿(別名・子宝椿)。

なぜ「夫婦椿」なのかというと、この幹が二股になった部分が男女和合に例えられるからみたいです。

人間の発想力とは、実に豊かなものです。
こちらが鏡の池。おそらく、八重垣神社を参拝する人はここが一番の目的だと思います。私は「男根のついでに鏡の池」という変わった参拝者ですが。

ここは「占い用紙を池に浮かべ、その上に硬貨を置いて早く沈むか遅く沈むかで縁がわかる」という縁占いが有名。池を上から眺めると、紙がたくさん沈んでいるのが見えます。なんだか、人間の念の強さがこちらにも伝わってくるみたい。

参拝客が次々とやってきては占い用紙を浮かべ、ずっと眺め続けている風景は興味深いものです。私は特に縁を確認したい相手もいないので、占いはやっていません。
見上げると、樹木の眺めがきれい。

境内に戻り、山神神社の横にある夫婦椿を見てみました。先ほどは子宝椿でしたが、こちらは乙女椿。

おそらく、この二股になった部分が夫婦椿の由来で、小さいから乙女なんでしょう。

境内の外に出ると、3ヶ所目の夫婦椿。別名の「連理玉椿」については、下に載せている案内書きに説明がありました。

この二股に分かれた部分が由来なんでしょうかね。

夫婦椿についての説明書きがありました。どうやら、二股になっていれば夫婦椿として認定されるようです。

こちらの土産物店で売られているのは子宝飴。どういう形なのかはネット検索すればわかります。

私は買いませんでしたが、変わった土産物としておすすめ。
それにしても、ここは貸切バスで団体客が次々とやってくるような有名観光スポットだというのに、あからさまな男根スポットがあるのが不思議な感じでした。知らずに来た人が「え?」という表情になっているところが面白い。
島根県の「るるぶ」や「まっぷる」を見ても、八重垣神社の紹介に山神神社は載っていないようです。たしかに、紹介するのを躊躇するような神社ではあるんですが。
おそらく松江近郊を観光する人ならだれもが参拝する神社でしょうけど、鏡の池以外にもこういう名所があるので、楽しんできて下さい。
珍宝石さん
次の訪問地は、松江市内の玉造温泉近郊にある珍宝石さん。山の中の道路を走っていると、道路脇に唐突に現れます。

ちょっと広くなっているスペースに車を停め、周囲を散策。「珍宝石」という名前からも、ここがどういうスポットなのかはわかるはず。

鳥居の先が、目的地の珍宝石さん。

鳥居をくぐる前に、こちらを見てみました。実はこれ、かつては男根型の木像だったそうなんですが、管理する人がいないために風雨の影響で折れてしまい、今はこんな姿になってしまったそうです。

朽ちた姿が痛々しいですねえ。

鳥居は二つ並んでいて、奥の鳥居の向こうが珍宝さんみたいです。

では、珍宝石さんへ。

小さな祠には「珍宝石大明神」と書かれていました。

祠の周りには、いくつかの陰と陽が点在しています。

こちらは、まだ原形を保っている木製の男根。

木製の男根以外は、なんだか荒廃した感じ。

地面には小型の陰と陽がありました。

陰にぴったりと収まった男根がいい感じ。

少し離れたところから全体を写してみました。この小道を下って行ったところに建物がありましたが、倉庫みたいな感じで人が住んでいる気配はなく、珍宝石さんとの関係はわかりません。

おそらく、ここは誰か個人が作った(探偵ナイトスクープでいうところの)パラダイス物件ではないかと思います。ただ、道路わきの男根も崩壊していますし、あまり管理が行き届いていないのか荒廃し始めているという印象を感じました。すでに放置されているのかもしれません。
ただの旅行者がこういうことを言うのもどうかは思うものの、陰陽スポットとして今後も存続し続けてほしいと願っています。いつかまた来たい。
一畑薬師
宍道湖の西側を北上し、出雲市にある一畑薬師へ。こういう由緒ある寺院を珍寺みたいな形で紹介するのは気が引けるんですが、しかし周辺のなんとなく面白いオブジェたちはB級スポット的な雰囲気があります。
かなり広い駐車場に車を停め、寺院のほうへ。

山門のほうへ歩いていくと、目当てのオブジェが早速見えてきました。

「欲にころぶな」という岩の上に何かが乗っています。

その正体は目玉おやじ。タイトル通り、転んでいます。

この寺院、あちこちに水木しげるのキャラクターが点在していることでも知られています。それが、今回ここを訪問した理由。
こちらの岩にも乗っています。

大鍋で料理している姿ではなく、おそらくは茶碗風呂に浸かろうとしている目玉おやじ。

「果報はねてまて、涅槃おやじ」という岩。

足を組んで寝ている目玉おやじ。

では、この石段を上がって寺院へ。

正面に見えるのが薬師本堂。

その横には、羅漢さんが並んでいる羅漢堂がありました。正式には「十六羅漢堂」で、台湾の寺院などでは「十八羅漢」と書かれているのを見ることが多いんですが、羅漢さんの人数については「十六」と「十八」の2つの考え方があるようです。

羅漢さんといえば、やはりこの方を探さないわけにはいきません。眉毛が異常に長い「長眉羅漢」さん。

どこで見ても、この羅漢さんの姿には感動します。
この一畑薬師は「目の薬師さま」として信仰されているそうで、大きく「め」と書かれた絵馬がたくさん掛けてありました。

なんとなく、つげ義春の「ねじ式」を連想させる風景。
つげ義春の「ねじ式」に登場する「ちくしょう、目医者ばかりではないか」という有名なシーン、実は現実に存在していた風景を参考にした可能性が高いみたいです。
X(旧Twitter)でこのことを知ったときは驚きました。その風景がこちら。

いや、これはすごい。撮影場所は台湾だそうで、さすがに現存はしていないでしょうけど、なんだか夢に出てきそうな風景。
というコラムを挟んで、薬師本堂で参拝。今は賽銭もキャッシュレスで払えるそうです。

というわけで、PayPay で賽銭を納めてきました。そういう時代なんですねえ。
薬師本堂の隣にあるのが「八万四千仏堂」。

中には小さな仏像がずらり。実際に八万四千体の仏像を安置する計画で、現在も仏像は増え続けているそうです。

正面から見ると、独特の幾何学模様がたまりません。何とも不思議な眺め。

鐘楼堂の前にも、何かのオブジェが。

こちらは水木しげる作品の「のんのんばあ」。少年時代の水木しげる宅にお手伝いに来ていた老婆がモデルだそう。

水木しげる少年に妖怪について語ってくれた方だそうで、一畑薬師を熱心に信仰していたことからオブジェが作られているみたいです。
こちらの「八堂」という建物の中にも八万四千仏の一部が安置されていました。ただ、それよりも気になったのが石造りの香炉。

陰謀論者にとっては「フリーメーソンの目に違いない!」だとか言って格好の材料になりそう。まあ、ああいう人たちは何を見ても陰謀論に結び付けるので仕方がないんですが。
境内を一通り見た後、土産物店で小さなカエルの置物(お御籤入りで、結果は末吉)を買い、上がってきたときとは別の階段で下へ。

ここには座禅を組む目玉おやじ。

柴犬がいた土産物店で「一畑饅頭」を買い、これで一畑薬師を後にしました。こういう正当な寺院を珍寺みたいに紹介してしまって申し訳ない気もしますが、しかしいろいろと面白い物件があって楽しめました。
男女岩
一畑薬師から島根半島の先端にある美保関へ。その途中、鳥取県境港へ分岐する境水道大橋の下をくぐり、しばらく走ったところに「男女岩」というスポットがあります。面白そうだったので立ち寄ってみました。
駐車場はないので、道路わきの少し広くなったところに車を停め、歩いて男女岩へ。なお、この辺りの道路は歩道がまったくないので、車が途切れたときに急いで歩く必要があります。
車に注意しながら、その男女岩を眺めてみました。

なぜ男女岩と呼ばれているのかというと、名前の通り陰と陽があるから。この日3ヶ所目の陰陽スポットになります。
こちらの海蝕でできた穴が女性版(陰)なんですが、まあ確かにそういう形に見えますね。

では男性版(陽)はどこかというと、隣にあるあの岩。

陰はやや強引なところがありましたが、陽は納得。三重県の二見浦みたいに、陰と陽の間に注連縄が張ってあります。

アップで見ると、なかなかリアル。よくこんな形が自然に生まれたものです。あと、なんだか先端がロープで縛られているようで、ちょっと痛いというか…

リアルな陽があったから、ちょっと強引に陰を見つけて「男女岩」ということにしたんでしょう。
近くを見ると、男女岩の案内板が折れて倒れていました。「だんじょいわ」ではなく「めおといわ」と読むんですね。夫婦ではなく男女と書いて「めおと」と読ませるとは、ちょっと意外。

上の写真を見ればわかる通り、車道とガードレールの間にはほぼスペースがありません。男女岩の写真を撮る際はガードレールにぴったりと体を寄せないと車が通るときは危険なので、これから訪問する人は注意して下さい。
わりとマイナーな陰陽スポットですが、リアルな形は一見の価値はあります。美保神社へ行く途中で立ち寄ってみて下さい。ただし、車には気を付けて。
美保神社、美保関灯台
男女岩から車で5分ほど、半島の先端付近にある美保神社に到着しました。典型的な漁村という集落の中にあり、海上安全の神社としても有名です。

こちらが本殿。なかなか立派な建物。

一応は船舶に関する業界にいる者として、こういう神社には参拝しておきたいもの。商売繁盛の御利益もあるので、「今の個人会社があと10年くらいは存続できますように」と願ってきました。フリーランスみたいな境遇だと将来の保証がないんですが、その代わり自由があります。
美保神社の後、せっかくここまで来たので半島先端にある美保関灯台へ行ってみました。広い駐車場に車を停め、歩いて灯台のほうへ。途中にあった写真撮影スポットからの眺め。

上の写真で沖に写っているのは境港から隠岐諸島へ向かっているフェリー。いつか、隠岐の島にも行ってみたいものです。
こちらが白亜の美保関灯台。現役の灯台なので、中には入れません。

海に面したところには展望デッキがあります。遠ざかっていく隠岐の島行きのフェリーを見ながら休憩。

レストランや土産物店が入っている建物もあり、灯台初代レンズの前に「燈の守り人」がいました。旅行後に調べたところ、灯台擬人化プロジェクトのキャラクターだそうです。

最果て感を感じることができるので、松江や境港を旅行する際は訪問してほしい観光スポットです。
江島大橋
美保関から境水道大橋を渡って鳥取県に入り、今回最後の目的地境港へ。ただし、いったん境港は通過して江島というところへ向かいます。
なぜここへ来たかというと、この橋を見たかったため。

この橋は江島大橋。日本のCMで有名になった「ベタ踏み坂」です。いったん、橋を渡って江島に入りましたが、さすがの急勾配でした。
ファミリーマート江島大橋店の駐車場には、こういう案内板があります。

ファミリーマートでパンと飲み物を買い、少しだけ車を停めたままにさせてもらってから橋のほうへ歩いてみました。

ここから見ても、なかなかの急勾配。

橋の入口から見ると、こんな感じ。

CMの風景は遠方から望遠で撮影したものだそうで、この距離からではあんなに垂直には見えません。ただ、それでも急勾配には違いないので、話のネタとして訪問してみて下さい。
水木しげるロード
では、最後の目的地となる水木しげるロードへ。2010年5月に来たことがあり、15年ぶりの再訪です。
時刻はすでに夕方。レンタカーの返却のこともあるので、ちょっと急ぎ足で歩いてみました。

クルクル回っている目玉。懐かしい風景です。

こちらは水木しげるにとって少年漫画のデビュー作になる「テレビくん」。この像は見た記憶がなく、調べたところ2017年に設置されたそうです。

「テレビくん」は文春文庫ビジュアル版「マンガ黄金時代 ’60年代傑作集」で読んだ作品で、かなり印象に残っています。まあ、冷静に考えれば「保護者がいない小学生がホテル住まいで転校を繰り返せるはずがないだろ」と突っ込めるわけですが。
妖怪楽園も懐かしい。

ねこ娘たちとも再会。

水木しげる記念館は、すでに最終入場時刻を過ぎていました。

「こんな立派な建物だったっけ?」と思って調べてみたら、2024年にリニューアルされているそうです。
前回、「妖菓・目玉おやじ」を買った店は健在でした。しかしながら、買おうとしたら直前で売り切れ。残念ですが、また次の機会に。

JR境港駅のほうへ歩き、水木しげるの執筆風景とも再会。

駅前にある「みなとさかい交流館」に入り、パネル等を見学。「鬼太郎・妖怪倉庫」というお化け屋敷もあったんですが、こちらも最終入場時刻を過ぎていて入れませんでした。

続いて、境港駅のホームへ。15年前は列車でここへ来たので、なんだか懐かしい。

待っていると境線の列車が来たので、写真撮影。

境港は交番にも鬼太郎がいます。

そろそろ時間がなくなってきたので、これで水木しげるロードの散策を終えることにしました。前回の旅行時にも思ったんですが、これだけたくさんのキャラクターたちに恵まれているのは幸運なこと。水木しげるさんは2015年に亡くなられましたが、この水木しげるロードは今後も栄えていてほしいものです。
この後、松江市に戻ってレンタカーを返却し、松江近郊の1日観光はこれで終了。宍道湖の周辺と鳥取県境港を走り回り、充実した1日でした。
2010年5月の水木しげるロード訪問記はこちら。

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