タイの観光といえば、普通は「アユタヤやチェンマイの仏教寺院」「サムイ島やプーケットの海」「北部の山岳地帯でのトレッキング」「ニューハーフシアター」「タイマッサージ」「タイ料理」などを連想すると思います。
しかし、私にとってタイの名所で外せないのが「地獄寺」です。2008年の旅行でバンコク近郊のパトゥムターニーにあるワットプートウドムという寺院を訪れて、その魅力にすっかりはまってしまいました。
その後も、地獄寺を見ることを目的としたタイ旅行を実行したり、いくつかの地獄寺を訪れてきました。それらの訪問記は当サイト本館に詳細な旅行記として載せていますが、いくつもの旅行記に分かれているため、まとめて見るのは不便な形になっています。
このため、このページで「極私的ランキング」として順位付けてみることにしました。もちろん、これはあくまで個人的な嗜好に基づくランキングなので、人によって好みは分かれると思います。地獄寺に興味がある人は、ちょっと参考にしてみて下さい。
書籍「タイの地獄寺」の紹介
ランキングに入る前に、こちらの書籍を紹介します。タイの地獄寺に関する研究では第一人者と言える椋橋彩香さんの著書で、タイトルはそのまま「タイの地獄寺」。

この種の書籍は、一般的に地獄寺をB級スポット的に面白おかしく扱ったものが多いのですが、こちらは極めてアカデミックな内容になっています。こういう視点で地獄寺を記述した書籍は、おそらく他にはないと思います。十分なフィールドワークを基に、タイの仏教思想などを絡めてまとめられた内容は圧巻。地獄寺を訪問する際の注意点なども書かれています。
実は、椋橋さんが福岡市で講演をされる際に私もたまたま福岡に出かけており、直接お会いして著書にサインをもらうことができました。宝物として持っておきます。

非常に興味深い内容になっているので、地獄寺に興味のある人はぜひ読んでみて下さい。写真もたくさん載っているので、現地に行った気持ちになって楽しめます。私からもおすすめ。

地獄寺ランキング
では、これからランキングを発表します。各地獄寺には、本館の旅行記へのリンクを載せています。
1位 ワットパーラックローイ(ナコーンラチャシマー)
1位はタイ東北部の中心都市ナコーンラチャシマーにあるワットパーラックローイ(Wat Pa Lak Roi)。
ここはもう、規模がとにかく広大。そして、佃煮にするほど大量に並べられた地獄絵図の数々。その中でも最大のインパクトは、なんといっても「男根真っ二つ!」のシーン。そして、電動アトラクションも本当にすごい。間違いなくタイ最大の地獄寺です。
2位 ワットメーケットノーイ(チェンマイ)
2位はタイ北部の中心都市チェンマイの郊外にあるワットメーケットノーイ(Wat Mae Kaet Noi)。
ここも規模はかなり大きく、ワットパーラックローイに次ぐ広さ。そして、この寺院で特筆すべきなのはマッカリーポンの木。写真を載せるのが危険に感じられるほどの超ロリ系のマッカリーポンの実は、地獄寺マニアなら絶対に見るべき。
3位 ワットプートウドム(パトゥムターニー)
3位は私が地獄寺にはまったきっかけになるワットプートウドム(Wat Phut Udom)。
バンコク近郊のパトゥムターニー県にあるので、行きやすい地獄寺だと思います。骸骨自転車や回転する托鉢僧などの電動アトラクション、数々の地獄風景が見事。
旅行した当時は「タイ最大の地獄寺だ!」と思いましたが、ワットパーラックローイとワットメーケットノーイを見た後では3位にしています。
前述の通り最初にここを訪問したのは2008年ですが、その15年半後の2023年に再訪しました。残念ながら動かなくなっているアトラクションも多く、全体的に老朽化が進んだ感じでしたが、何とか復活してほしいものです。
4位 ワットムアン(アントーン)
4位はバンコクの北にあるアントーン県のワットムアン(Wat Muang)。
ここの名物は高さ93mの金色の大仏で、遠くから見ても目立っています。その他、壁と天井が鏡張りになった本堂や巨大ピーも見事で、地獄エリアの広さもなかなかのもの。
ただ、電動アトラクションがないので4位にしました。
2024年3月、12年半ぶりに再訪しました。ワットプートウドムと違ってパワーダウンすることもなく、広大な地獄エリアと金色の大仏は健在でした。
5位 ワットセーンスック(バンセーン)
5位はバンコクの南、庶民の観光地バンセーンにあるワットセーンスック(Wat Saen Suk)。
アンガールズ田中似の巨大ピーが名物。地獄エリアも広大ですが、4位のワットムアンには少し劣るかも。しかし地獄風景は十分に魅力的です。
6位 ワットタムターパン(パンガー)
6位はプーケット島から橋を渡って本土側に入ったパンガー県にあるワットタムターパン(Wat Tham Ta Pan)。
プーケットでのダイビング旅行の際、1日時間を取って訪問してきました。ここの訪問記はネット上にもまだ少ないようです。
地獄エリア以外にも、林の中に面白い神像が並んでいる光景を見ることができます。有名観光地のプーケットを旅行する際は、ぜひ訪れてみて下さい。
7位 ワットパイロンウア(スパンブリー)
7位はバンコク郊外のスパンブリー県にあるワットパイロンウア。バンコクから近いためタイの地獄寺としては有名なほうだと思いますが、私は2024年に初めて訪問しました。
寺院自体はかなり広大で、地獄エリアはその中でコンパクトにまとまっている感じ。白亜の大仏の他、面白いオブジェもたくさんあります。
8位 ワットサマイコンカー(パンガン島)
8位はタイ南部の行楽地パンガン島にあるワットサマイコンカー(Wat Samai Kongka)。
サムイ島から高速船で30分ほどのパンガン島に地獄寺があります。ここの訪問記もネット上には少ないので、まだ日本では知られていないようです。
地獄は小規模ですが、興味深いのはすぐ近くに小学校があること。ここの小学生たちは地獄風景を毎日見ているわけで、これも教育の一環なのかもしれません。
9位 ワットメーイート(チェンダオ)
9位はチェンマイ近郊のチェンダオという町にあるワットメーイート(Wat Mae Id)。
チェンダオのバスターミナルから、チェンダオ洞窟という観光地へ向かう途中にある小規模な寺院です。地獄エリアも小さいのですが、かなり背の高い4体のピーは迫力があります。
番外編 ワットケーク(ノンカイ)
最後は番外編のワットケーク(Wat Khaek)。ラオスとの国境に近いノンカイという町にあります。
なぜ番外編なのかというと、明確な地獄寺というわけではないため。ここはラオスの僧侶ルアン・プーがタイに渡ってきてから作り上げた寺院で、ルアン・プーの脳内風景ともいえる摩訶不思議な石像が林立しています。
「骨になった夫婦」などの要素もあるため地獄寺に含めましたが、隣国ラオスの首都ビエンチャンにあるブッダパークと同様、理解不能の風景を見たい人にはおすすめ。
あとがき
以上、2024年時点で私が訪問した地獄寺をランキング形式で紹介してみました。もちろん、ここで紹介した寺院以外にも、タイには地獄寺はたくさんあります。今後もタイ旅行は「地獄寺訪問」と「ダイビング」をメインの目的にするつもりなので、ランキングも増やしていく予定。
さて、次はどの地獄風景を見てみようか。考えていると楽しいですね。
<台湾の地獄寺を見たい人はこちらへ>
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