【レアなビザと出入国証印ランキング】

私が初めてパスポートを使って海外へ行ったのは1995年の中国(上海、蘇州)旅行です。その前の1992年に遠洋航海でニューカレドニア、ニュージーランド、アメリカを訪問していますが、これはパスポートではなく Landing Permit(上陸許可証)を使っての入国だったため、このときはパスポート自体を持っていませんでした。

1995年の中国旅行は当時勤務していた会社の社員旅行だったので、個人旅行として初めてパスポートを使ったのは1998年のアイルランド旅行になります。それから20年以上が経ち、入国した国の数は51ヶ国まで増えました(2022年時点)。

あちこちを旅行していると「これはレアかも」と思うようなビザや出入国印がパスポートに押されることがあります。このページでは、私が今までに取得した出入国記録のうち、個人的に珍しいと思うものをランキング形式で紹介してみます。

なお、レアかどうかは私の主観なので「こんなものは珍しくない」と思う人もいるかもしれませんが、そこはご了承ください。

5位 ラトビアのビザ

1999年のロシア&エストニア&ラトビア旅行の際に取得したラトビアのビザ。今は日本人は短期間の滞在であればビザが免除されているため、取得する必要はありません。

当時は日本にラトビア大使館がなく(開設されたのは2006年)、このときはエストニアの首都タリンのラトビア大使館で取得しました。外国のビザを第三国で取得するというのが初めての体験だったため、今でも印象に残っています。

4位 ジンバブエ&ザンビアのビザ

2007年に取得したアフリカのジンバブエとザンビアのビザ。この両国の国境に、ビクトリアフォールズという世界的に超有名な観光地があります。一度は見てみたいと考えている人は多いはず。

といっても、さすがに日本からジンバブエまで行くのは時間と費用がかかるので、実際に入国した人はそれほど多くないかもしれません。

ちなみに国境の橋からはバンジージャンプができます。上の写真に写っているビザには「SINGLE ENTRY」と書かれていますが、国境の橋はトランジットエリアみたいな場所になっているので、バンジージャンプだけが目的ならジンバブエ側の出入国管理所を何度も通ることができます。

ザンビアのビザは、シール式ではなくパスポートにスタンプが押される形式でした。(横に押されているのは2009年のヨルダンの出国印)

ビクトリアフォールズをザンビア側から見るための入国だったため、滞在時間は5時間ほどでした。おそらく、私が入国した51ヶ国の中で、日本人にとってもっともマイナーな国がザンビアだと思います。

3位 アルメニア&ナゴルノ・カラバフのビザ

国際的には未承認国になる「ナゴルノ・カラバフ共和国」に潜入するために実行したアルメニア旅行のときのビザ。アルメニア人は「心の山」と呼ぶほどアララト山が大好きなので、スタンプにも大アララト山と小アララト山がデザインされています。(ただしアララト山は現在トルコ領)

そして、こちらがナゴルノ・カラバフ共和国のビザ。首都ステパナケルト近郊にある「我らの山」像がデザインされています。

私がこの地域を旅行したのは2015年で、そのときは状況は落ち着いていて平和そのものという感じでした。しかしながら、2020年に発生した第2次ナゴルノ・カラバフ紛争により、実効支配地域の多くがアゼルバイジャンに返還されています。

首都ステパナケルトはナゴルノ・カラバフ共和国に残っていますが、この地域の将来的な帰属については棚上げされているそうなので、今後はどうなるかわかりません。個人的には、この旅行のときに出会った人たちといつか再会したいと考えています。

2位 アブハジアのビザ

ナゴルノ・カラバフ共和国を旅行したことがきっかけで、自分の中で「未承認国めぐり」が盛り上がってしまい、その流れで2019年に潜入したのがアブハジア共和国。国際的にはジョージアの一部とされていますが、一方的に独立宣言した地域であり、ジョージアの支配が及んでいません。

自称首都のスフミで取得したアブハジア共和国のビザは、出国の際に回収されてしまうため手元に残らないのが残念。かなりレアなビザだと思うので、写真に撮って残しておくことをおすすめします。

パスポートには、アブハジアに入った記録がしっかりと残っています。こういう場合、その国を認めていない国に入国できなくなるケースも多いのですが(北キプロスに入った記録があるとギリシャに入国できなくなるように)、このときは問題なくジョージアに再入国できました。

出国印は鮮明ですが、入国印が薄いのが残念。しかし、これらの出入国印もレアだと思います。

未承認国といえば、他に「沿ドニエストル共和国」にも潜入していますが、こちらはビザもなくパスポートにも記録は残っていません。ちょっと残念。

1位 伊万里の出国印

私が今まででもっともレアだと思っているのは、外国のビザではなく日本の出国印。これがどこのものかというと、佐賀県伊万里市。さすがに、空港も国際港もない町の出国印を見たことがある人はほとんどいないはず。

なぜこのスタンプがパスポートに押されることになったのかというと、計測の仕事で船に乗り、伊万里から中国の舟山市まで航海したため。伊万里市にある造船所でメンテナンス中の貨物船に乗船し、そこから出国するというレアな体験でした。

出航の前日に佐賀市にある出入国在留管理局に出向き、そこで出国手続きをしてパスポートに出国印を押してもらいました。一緒に行った人と「これは超絶レアなスタンプですねえ」などと話したのと憶えていますが、この出国印を押してもらう機会はもうないでしょう。

なお、横に押してある丸いスタンプは舟山の入国印で、舟山市内の出入国管理局で押してもらいました。これもかなりのレアもののはずなんですが、不鮮明なのが残念。このときの中国渡航は、帰りは舟山~上海~長崎と飛行機で移動しています。

中国 / 舟山の風景

せっかくなので、このときの航海で到着した舟山市の風景を少しだけ紹介しておきます。浙江省舟山市は上海の南にあり、杭州湾を挟んで対岸に位置している町です。

舟山に近づくと、海水は見事なまでの泥色になってきます。

ここは川ではなく海。

パイロット(水先案内人)が乗っている船。

フリゲート艦が横を通航していきました。

一方、こんな小さな船も頻繁に行き来しています。

赤旗一色なのが中国らしい。

伊万里から舟山までは途中2泊の航海でした。船員さんは全員フィリピン人で、船長さんの容貌がカダフィ大佐そっくりだったため最初に会ったときは緊張しましたが、話してみると気さくな人でした。貴重な体験だったと思っています。


帰りは舟山~上海~長崎と移動したんですが、このとき(2012年11月)は習近平が国家主席に選出された中国共産党全国代表大会の真っ最中でした。上海の空港近くにあるホテルでテレビを見ていると、どのチャンネルもそのニュース一色で、江沢民や胡錦涛や習近平が繰り返し映っていました。

それにしても、政治家を紹介するときの敬称が「同志」なのがいかにも共産党らしい。

大きな議場の風景も何度も映されていましたが、派手な民族衣装をわざとらしく着た人が何人もいるところが面白い。


上海から長崎までの移動中、機内のモニターを見ていると佐世保市の上空を通過してきました。「ここで下ろしてくれ」と言いたくなりましたが、それは無理。

飛行機から外を眺めていると、針尾無線塔が見えました。

針尾無線塔をこの高さから見下ろすことができたのはレアな体験だったかも。

伊万里~舟山~上海~長崎という珍しい移動は、これで終了です。


このページで紹介した「ラトビア旅行」「ジンバブエ&ザンビア旅行」「アルメニア旅行」「ジョージア旅行」については、当サイト本館に詳細な旅行記を載せているので、そちらも見てみて下さい。

また、最後に紹介した針尾無線塔については、こちらの記事もどうぞ。

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