【佐賀県小城市にある肥前仏舎利塔を紹介します】

長崎本線を列車で移動していると、佐賀駅と江北駅(この当時は肥前山口駅)の間で山の上に白亜のパゴダが建っていることに気付きます。かなり以前から気になっていて、調べてみたら「肥前仏舎利塔」という名前だとわかりました。場所はここ。

宗教法人「日本山妙法寺」が建立したパゴダだそうで、佐賀平野を見渡すビュースポットになっているそうです。用事があって大分へ行った帰り道、高速道路を下りて立ち寄ってみました。


小城スマート I.C.で一般道に下り、国道34号線方面へ。詳しい道順がわからなかったので Google Map の経路案内を頼りに車を走らせたのですが、最短経路として表示された道路を選んだら細い山道になってしまいました。

訪れたのは8月下旬でしたが、落ち葉が積もっている時期だったりしたら車での移動は危ないかもしれません。

片側は柵もなく、踏み外したら滑り落ちそう。

途中のつづら折れが急角度かつ急勾配のカーブになっていて、3ナンバーのインプレッサは明らかに曲がり切れないとわかったため、ここで先へ進むことを諦めました。しかしギアを1速に入れても坂道を上がらなかったときはさすがに焦りましたが(私は今どきマニュアル車に乗っているMT大好き人間なので)、ゆっくりバックで下がっていくと方向転換できるスペースがあり、助かりました。

その後、別の道を通ってとりあえず目的地には辿り着いたので、ここでの注意点をひとつ。Google Map で表示される最短ルートではなく「うしづふれあいグリーンパーク」という公園前の道だと車はなんとか通れます。

上の写真の道よりはましですが、それでも対向車が来たらアウトな道の連続です。もうヒヤヒヤもの。

ネット上では「佐賀平野の夜景がきれい」などと紹介されているサイトも見つかりますが、この道路を夜間に通るのはかなり危険そう。事故を起こしても当サイトは責任を取れません。


というわけで、何とか目的地に到着しました。急に視界が開けてパゴダが見えてくるので、なんだか異世界に迷い込んだような感じ。

日本山妙法寺の本堂の横に車を停め、歩いて石段を上がります。

石段の横に「南無妙法蓮華経」と刻まれた塔があります。それにしても、先ほどまでの細い山道とは一転して広い空間が広がっているのが実に不思議。

振り返ると、佐賀平野の眺めがきれい。

正面から眺めた仏舎利塔。晴天に映える白亜の塔がきれいです。

土足禁止なので、用意してあるサンダルに履き替えて階段を上がります。

正面に鎮座しているのが説法仏。下には「廣供養舎利」と刻まれていました。

説法仏は釈迦が最初に説法をしたときの姿を表しているそうです。手の形は「説法印」。

塔の周りに通路が二層作られていました。まずは下の回廊を歩いてみます。照り返しが強くて暑い。

仏舎利塔の四方には、四種の釈迦像(説法仏、降魔仏、涅槃仏、降誕仏)が納められていました。普通、こういう塔は右回りに歩くものだと思いますが、そうすると降誕仏の前に見えるのが涅槃仏。つい「順番が違うんじゃないの?」と思ってしまいます。

そして、右回りに歩くと最後に見えるのが降誕仏。名前の通り釈迦の降誕の姿を表していて、いよいよ「順番が間違ってないか?」と思えてきました。それとも、この仏舎利塔は左回りに歩くのが作法なんでしょうか。

一回りして、上の回廊に上がってみました。先ほどよりも景色がきれいに見えます。

上の回廊も右回りに歩きました。こちらが降魔仏で、釈迦が雑念を追い払って悟りを開くときの姿を表しているそうです。手の形は降魔印。

それにしても、降誕仏の前に涅槃仏が見えるのはどうしても違和感があります。

こちらが降誕仏。生まれてすぐに発した「天上天下唯我独尊」という言葉が有名。

右手で天、左手で地を指さしています。

一回りして説法仏まで戻ってきました。

なお、仏舎利塔には入口などは見当たりませんでした。このため、塔の内部に入ることはできません。

内部は見ることができないものの、白亜の姿と景色はきれいです。

仏舎利塔から眺めた佐賀平野。かなり雄大な眺めです。

ここで撮った写真をパノラマ風につなげてみました。

そろそろ、仏舎利塔を下りることにします。

サンダルから靴に履き替え、塔の周囲を一回り。

かなり頻繁に清掃されているらしく、仏舎利塔はピカピカに光っています。

いくつかの角度から仏舎利塔を撮ってみました。

下の写真は絵葉書にできそうです。

では、これで帰ることにします。

今回、かなり以前(おそらく30年前くらい)から気になっていたパゴダを初めて訪れてみました。こういう正統派の寺院をB級スポットとして扱うのは気が引けますが、運転するのがヒヤヒヤものの細い山道から一転して広大な空間が現れるギャップは面白いものです。

ここの訪問記はまだネット上でもまだ少ないようなので、珍しいスポットが好きな人は一度訪問してみて下さい。ただし、車の運転には十分に気を付けて。


国道34号線に戻る前に「うしづふれあいグリーンパーク」に立ち寄ってみました。どういう公園かと思ったら、こういう遊具がひとつあるだけ。

ただし、この遊具も「安全に関する基準の点検結果により使用を禁止します」としてロープで覆われていました。

なぜ使用禁止になったのかは、ここを見て納得。この角度で滑ってきたら、間違いなく地面に激突しそう。

後で調べてみたら、かつては他にも遊具がいくつかあったものの、どれも安全上の問題で使用禁止になったとのこと。この遊具だけがまだ撤去されずに残っていたようですが、しかし危ないことは事前にわからなかったんでしょうかね。

予想外に面白かった公園も発見でき、これで今回の肥前仏舎利塔訪問は終了。

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